ゲハルト修道院とガルニ神殿

アルメニア中西部を流れるアザート川流域
岩を彫って築かれたゲハルト修道院と
紀元前に遡るガルニ神殿があります。
2009年5月訪問。

写真はゲハルト修道院


ゲハルト修道院

エレヴァンの南東約30キロ、アザート川の上流にゲハルト修道院があります。ゲハルトとは「槍」の意味。キリストが十字架に磔になった時、キリストの脇腹を刺したと言われる槍が、ここに隠されていました。修道院の創建は4世紀に遡るという古いもので、現在の建物は13世紀に造られたもの。しかし、なんと言ってもこの修道院の特徴は岩山を彫り抜いて造られたということにあります。外から見ると一見普通の石造りの修道院ですが、修道院は岩場に張り付く形で作られており、洞窟寺院のようになっています。なお、聖槍は現在、エチミアジン大聖堂に保管されています。

修道院入口。
レリーフはライオンと牡牛?
   


入口のドアには聖槍が彫られていました(左下)。
キリストの脇腹を刺したとされるロンギヌスの槍です。
そして、修道院の中に入ると、そこは荘厳な雰囲気(右下)。
   


薄暗い修道院内部はなんとも神秘的。奥に祭壇が置かれています。
   


修道院は岩山の下に続きます。少し進むと・・・
このあたりは、もう岩を掘った洞窟寺院になっています。
レリーフが美しい。



ライオンと鷲は王家のシンボル(左)
明かりをとるための工夫が随所になされています。光が差し込む様が美しい(右)。
   


ドームの上部から明かりを取っていることが多いのですが、ドームの彫りが見事。



これらのドームも岩山を彫ったものです。
現地ガイドさんによると、上から彫っていったということですが・・・。



この修道院は遺跡ではありません。現在も信仰の場として生きています。

   

司祭は信者に祝福を与え、信者はろうそくを灯しています。

   


これだけの空間を彫りだすというのは凄い信仰心です。
こういった場所なら、大切な物を隠せそうですね。


内部は声が響き易くする工夫などもなされていました。



修道院の周囲の岩山には小さな洞がいくつも彫られています。
   


外側だけでなく、内部にも多くの十字架が彫られていました。




修道院の周囲の風景

修道院の周囲のアザート渓谷の自然美も合わせてゲハルト修道院は世界遺産となっています。




訪れたのが5月だったので、美しい新緑をみることができました。

   

美しい景色の中のゲハルト修道院
アルメニアで一番の見どころとの声も結構ありました。




ガルニ神殿

ゲハルト修道院から車で15分ほどのところにガルニ神殿はあります。


ガルニ神殿はアルメニアに残る唯一のヘレニズム建築。紀元前3世紀から後3世紀ころまで太陽神の神殿・ミトラ神殿として使用されていたもので、1年に1度太陽が神殿の中を照らす構造になっているそうです。
現在の神殿は16世紀の地震で壊れたものを20世紀に修復したもの。青みを帯びた玄武岩で作られた神殿は美しく優美です。かってはブロンズの像といけにえ台が置かれていました。

神殿の天井



柱も入れて撮ってみました。壁には文字が刻まれているようです。




神殿の横には、かって避暑用の夏の宮殿があり、教会も建てられていました。
現在は基礎部分のみが発掘されています。




宮殿にあった浴場の跡。タイルが残っています。
紀元前3世紀のもので、この浴場は近くの川の水を引いていたのだそうです。
   



神殿周囲の風景も見事です。神殿の周囲3方は崖。



緑が鮮やか。
   


美しい自然の中のゲハルト修道院とガルニ神殿。
なんとも素晴らしい場所です。




アルメニアの遺跡に戻る

コーカサスの遺跡に戻る




参考文献

21世紀世界遺産の旅(小学館)

基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。