ドゥブロヴニクの修道院と大聖堂

中世の趣きの回廊や美しい宗教絵画
薬局を併設する修道院
ドゥブロヴニクの修道院と大聖堂をまとめました
2019年10月訪問

写真はフランシスコ会修道院の回廊


中世の街並みが残るドゥブロヴニクには中世からの修道院や大聖堂が残っています。
入場観光したフランシスコ会修道院・聖母被昇天大聖堂・ドミニコ会修道院をまとめました。


フランシスコ会修道院

フランシスコ会修道院はピレ門を入ってすぐのところにあります。
ピレ門を入ると右手にオノフリオの大噴水があり、左手に正面ファサードが美しい救世主教会があって、その隣がフランシスコ会修道院です。救世主教会との間に入口があります。

プラツァ通りから見ると修道院の構造は分かり難いのですが、城壁の上からみると二つの中庭を持つ大きな建物であることが分かります。現在公開されているのは通りに近い部分のみで奥は非公開。
ドゥブロヴニクの建物はみなオレンジ色の屋根が特徴ですがフランシスコ会修道院の屋根は黒っぽいので聞いてみたら、元々はオレンジ色の屋根だったけれど古くなって黒っぽくなってきたんだ、とのこと。

この教会は元々は城壁の外にあったのを14世紀に外敵から守るためピレ門近くの城壁の中に移されたのだそうです。1667年の大地震で建物の多くが破壊されましたが、市民により中世の姿で再建されました。

中庭を囲むロマネスク様式の回廊は旧市街で最も美しいと評されています。

美しいロマネスク様式の回廊


この回廊のアーチを支える柱の柱頭は全て異なるレリーフで飾られています。


ドラゴン
 
 人の顔

なんとも中世といった趣。

中庭は大地震前の14世紀のものだそうです。

 回廊から見る鐘楼
 美しい中庭


回廊には壁画も描かれています
 
 壁画の説明図


この修道院で珍しいのは修道院内にヨーロッパで3番目に古いと言われる薬局マラ・プラーチャ薬局があること。

私が訪れた時は日曜日でお休みでしたが、今も平日は営業していて、中世から伝わる薬草を使ったナチュラルコスメやハーブティーがドゥブロヴニクのお土産としても大人気。

中世、修道士たちは全ての人々を救うというキリスト教の教えに従い、病人に治療を行ってきました。つまり修道院は病の人々を救う医療施設として機能していたのです。修道士たちが治療のために書き記した薬草の効能は後輩たちに伝えられ、それらの知識の集積が後に医学校の開設に繋がって行きました。

この修道院は医療施設としての機能をずっと守り続けてきたんですね。回廊の壁画には病人を治療する修道士の姿が描かれているそうですし、薬局も元々は城壁の外にあったのが、修道院と一緒に城壁内に移転されたのだそうです。

修道院の回廊の奥の部屋は博物館になっていて宗教画などが展示されているのですが、古い薬瓶や壺も数多く並べられています(右)。手書きの処方箋も大量に保存されているのだとか。


博物館に展示されていた古い宗教画



聖人の遺骨(聖遺物)を入れる容器



教会

フランシスコ会修道院の教会はプラツァ通り沿いに入口があります。

 入口には美しいピエタのレリーフ
主祭壇
 


バロック様式の教会内部は厳かな雰囲気



説教壇・・・でしょうか。なんとも素敵な雰囲気。



パイプオルガンを飾る天使たち




聖母被昇天大聖堂



聖母被昇天大聖堂はルジャ広場の南、旧総督邸のすぐ近くにあります。12世紀にイギリスのリチャード1世が建てたのが始まりとの伝承もありますが、現在の建物は震災後の17世紀に再建されたもの。バロック様式の建物で、宝物殿にはドゥブロヴニクが隆盛を誇った時代の財宝が展示されています。宝物殿は残念ながら写真撮影禁止ですが、見どころはドゥブロヴニクの守護聖人である聖ロブロの頭蓋骨と右手の遺骨(聖遺物)を納める冠型と右手の形の容器でしょうか。
他にも主祭壇にはイタリアのルネッサンス期ベネツィア派の巨匠ティツィアーノの「聖母被昇天」が祭壇画として飾られている他、幾つもの美しい祭壇が並んでいます。

美しい主祭壇


主祭壇の左手の部屋が宝物殿となっています。

主祭壇は意外とシンプルでしたがバロックらしい優美さが感じられます。

色大理石が見事
 
 ステンドグラスも美しい

ティツィアーノ作 「聖母被昇天」



ティツィアーノの祭壇画に見とれてしまいますが、左右に並ぶ祭壇も見事でした。

色大理石を豪華に使った優美な祭壇が並びます。
   


一番ロウソクが供えられていた祭壇
 
 こちらの祭壇はイコンが飾られています



ドミニコ会修道院

ドミニコ会修道院は町の北東、レヴェリン要塞やプロチェ門に近いところにあります。

13世紀に修道院が開かれ、14世紀に建物が完成。当初は城壁の外にあったものの、城壁が拡張されたことで今では城壁内となっています。

正直、町を歩いていた時は道が狭く、しかも修復工事中だったため建物が良く分からなかったのですが、城壁に上って眺めると大きな立派な建物であることが良く分かります。

中に入ると中庭を回廊が取り囲むというフランシスコ会修道院と同じ構造ですが、この修道院の回廊は三連アーチになっていました。

そして、回廊に面した部屋は宗教美術館になっています。銀製の手の形をした聖遺物を入れる容器や15〜16世紀の宗教絵画が数多く置かれていて見ごたえがあります。
特にヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノの聖マグダレナの祭壇画は特別に一部屋が設けられています。

美術館では展示品の絵葉書も売っています。聖マグダレナの祭壇画は写真を撮ると光ってしまうので絵葉書を買いました。

修道院内部


フランシスコ会修道院の後に訪れると、一瞬デジャヴ?と思いますが
ここの回廊のアーチは三連式。

 中庭と三連式のアーチが美しい
 回廊から見る鐘楼


三連のアーチ
 
 すてきな入口。なんとも中世風。


ここの博物館は、かなり充実しています。

美しい祭具
 
 手の形の聖遺物を入れる容器


「イエス・イリストの洗礼」 
ロヴロ・ドブリチェヴィッチ作(15世紀)



「聖母子と聖人たち」
ニコラ・ボジダレヴィッチ作(15〜16世紀)


左端がドゥブロヴニクの守護聖人聖ヴラホ
ニコラ・ボジダレヴィッチは15世紀から16世紀に活躍したドゥブロヴニク派の画家

「受胎告知」
ニコラ・ボジダレヴィッチ作(15〜16世紀)



ドゥブロヴニク派の画家の絵画も興味深いですが、
やはりティツィアーノのマグダラのマリアが素晴らしい。

ティツィアーノ作
「聖マグダレナの祭壇画」 1550年




クロアチアの遺跡に戻る

イタリア周辺の遺跡に戻る




参考文献

21世紀世界遺産の旅 小学館
るるぶ クロアチア・スロヴェニア

基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。