ディオクレティアヌス宮殿 アドリア海東岸の最大の街スプリット ローマ皇帝の宮殿に人々が住み着き、街に発展したという特異な街 古代から現代までが混在する魅力ある街です。 2019年10月訪問 写真は宮殿の中心部ペリスティル
宮殿復元図
宮殿には東西南北に4つの門があるのですが、南側の門から入ることになりました。 かって海に接していた宮殿ですが、今では海との間に建物と道ができています。 復元図を見ると海に面した側だけは堅牢な城壁ではなくアーチが並ぶ柱廊になっていたようです。 皇帝は柱廊から美しいアドリア海を眺めて引退後の生活を過ごしていたのでしょうね。 宮殿前に建物が建ち並ぶ今も、なんとなくローマ時代の面影が残っています。
南側の門(青銅の門)はとても簡素な造り。 かっては船から荷物を搬入したり、皇帝が私的に海に出るのに使用されていたもの。 青銅の門を入って階段を下り、お土産屋が並ぶ道を真っ直ぐ進んで 再び階段を上ると宮殿の中心部ペリスティルに出るのですが 門から降りてすぐ左手に地下宮殿への入口があります。 地下宮殿
地下の構造図。かっての宮殿の構造図でもあります。
地下の見学の後、ガイドさんに従ってお土産屋さんの横から地上に出ました。 鐘楼と大聖堂(右側)が見えます。 大聖堂はかってディオクレティアヌス帝の霊廟だった建物 後にキリスト教徒によって大聖堂に改築されました。 八角形の建物を美しいコリント式の柱が囲んでいます。 大聖堂には裏手から入りました。 中に入ると雰囲気が一変
なんと煌びやかな天使の横を通って正面に回り込みます 大聖堂正面
聖ストシャの祭壇・彫刻部分 ユライ・ダルマティナッツ作の聖ヤコブ大聖堂洗礼室も素晴らしかったけど、この祭壇も実に素晴らしい。 日本での知名度は低いけれど素晴らしい彫刻家・建築家ですね。精神性が高いと言うか・・・ 聖ストシャについては何も知らなかったのですが思わず姿勢を正してしまいます。 聖ドムニウスの祭壇(18世紀 バロック) こちらはひたすら優美 13世紀の説教台や正面入口の扉も素晴らしい。扉にはイエスの生涯が刻まれています。 どちらもロマネスク様式の傑作と言われています。
霊廟だったころ、天井は美しいモザイクで飾られていたそうです。 ディオクレティアヌス帝を讃えるモザイクは全て消されてしまいました・・・。 しかし、天井近くにディオクレティアヌス帝ではないかと言われるレリーフがひっそり残っています。
名残惜しいですが大聖堂を出ます。 本来の入口が訪問時は出口専用になっていました。
本来の入口から出ると宮殿の中心ペリスティル
玄関付近からのペリスティルの眺めも素晴らしい。 玄関の中に入ると、天井から丸く青空が見えます。 前庭と呼ばれる丸い広間です。
熱唱中 洗礼室(ジュピター神殿)
洗礼盤も興味深いですが、何より目を奪われたのが美しい天井のレリーフ 確認し忘れましたが、神殿建築当初のローマ時代のものだと思います。 宮殿では東西南北に置かれた門も見どころです。 南側青銅の門から入ったので他の門も見て回ることにしました 東西に走る道と南北の道がペリスティルで交差する構造なので迷いません。 まずはペリスティルから一番近くわかりやすい銀の門(東門)
銀の門の外に出ると青果市場があるそうです。 買い漁っているツアーの同行者もいました。 北側の金の門を目指します。 金の門は二重の門になっていました。
金の門からは宮殿の城壁が良く見渡せます。高さ約20m。
最後の鉄の門(西門)は良く分からなかったのでペリスティルに戻って探しました。 建物の中に埋もれているというか・・・ちょっと分かり難い。
ナロドニ広場
写真だと分かり難いですが実にお洒落な建物が並びます。 正面の建物は外壁が綺麗で、実に可愛かった。 ナロドニ広場から海の方向に進むと別の広場があります。 ブラチェ・ラディッチ広場
旧市街を出て海沿いの道を進むと、そこは現代の町並み。 海沿いの道には多くのカフェが並び賑わっています。 港には多くのクルーズ船 古代の遺跡や宮殿跡が残る街は多いですが 古代の宮殿に人々が暮らして街になっているというのは 他に例がないのではないでしょうか。 クロアチアの世界遺産の中で最も感銘を受けました。 納得の世界遺産です。 クロアチアの遺跡に戻る イタリアと周辺の遺跡に戻る 参考文献 21世紀世界遺産の旅 小学館 るるぶ クロアチア・スロヴェニア 基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。 |
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