プリトヴィツェ湖群国立公園

クロアチア内陸部
湖と滝が連なる美しい自然公園
プリトヴィツェ国立公園を訪ねました。
2019年10月訪問

写真はヴェリキ滝周辺


ザグレブから南に約110qのところにあるプリトヴィツェ湖群国立公園はクロアチア最大の国立公園。世界遺産にも登録されている景勝地です。広葉樹林帯の中を蛇行しながら流れるプリトヴィツェ川は流れの途中に、標高365mのプロシュチアン湖から標高差約135mの一番下の湖まで大小16の湖を作っており、それらの湖が92もの滝で繋がっています。まるで水の階段のような美しい景色を求めて世界中から多くの人々が訪れています。



公園内のホテルにあった公園の地図。左が上流で右が下流です。一番左にある大きな湖がプロシュチアン湖。地図中央の下あたりに多くの表示があるのがホテルやレストラン・カフェが集まっている場所。この場所の上流(左)を上湖群、下流(右)を下湖群といいます。公園内は遊歩道が整備されていて、上湖群も下湖群も、どちらも半日で巡れます。下湖群の方がお手軽コース。

こちらは公園でもらったパンフレットの地図。遊歩道が良く分かるかと思います。
実際に歩いたルートをピンクで書き込んでみました。


Pは遊覧船の船着き場。Stは公園内を走るバスの乗り場。ツアーでは午前中が上湖群、午後が下湖群のハイキングだったのですが、前夜からあいにくの大雨。お昼に雨が止んだので、午後の下湖群のハイキングにだけ参加しました、上の地図右下の入口から入って、まず滝を目指し、その後、湖と滝を見ながらP3の船着き場まで歩き、遊覧船でP1に帰ってくるコースです。

入口から公園に入ると晴れて来ました。
美しい滝が見えます。


写真右上の大きな滝は公園内で最も大きな滝であるヴェリキ(大きな)滝。落差72m。

ヴェリキ滝の手前、左側の湖から一段下の湖に滝が流れて落ちているのが分かるでしょうか。
このように湖・滝・一段低い湖・滝という景色が続くのがこの公園の特徴。

この地域の地質は石灰岩層であるため、流れる水が高濃度の炭酸カルシウムを含むことになり、それが石灰華(石灰質沈殿物)を造って流れを堰き止めたために、このような景観が生まれたのだそうです。

つまり、公園内にある多くの湖は広葉樹林帯の中を蛇行しながら流れるプリトヴィツェ川が石灰質の沈殿物によって所々で堰き止められて生まれたものということになります。

そして、ヴェリキ川はプリトヴィツェ川とは別の流れであるコロナ川から流れおちる滝で、2つの川が合流する右の写真のあたりは公園内で最も下流に位置しています。

それにしても美しいエメラルドグリーンの湖。白い岩肌と色付いてきた木々の葉とあいまって、なんとも美しい眺めです。

まずは、ヴェリキ滝を目指して高台から下りて行きます。
木立の間から見える滝も美しい。



少し降りると湖の向こう側に渡すための遊歩道があるのですが、
よく見るとここにも小さな滝


これも石灰岩の沈殿物が造った自然の堰のようです。

遊歩道を渡って湖の向こう側に渡り、ヴェリキ滝に近づくと
遊歩道の下を水が音を立てて流れ落ちて行きます。
   


ヴェリキ滝



ヴェリキ滝を見た後、上流に向かって上って行きます。
カヴァノヴァッツ湖のあたりで、また、雨が降って来ました。
   

静かな湖面に落ちる雨も美しいのですけれど、できれば晴れた空の下で眺めたかったなあ。

晴れ間が出たり、再び雨が落ちてきたり・・・忙しい天気
小さな滝がいくつもいくつも現れます

 
 


なんとも美しい湖の色
 
 沈んだ木は石灰質で覆われていきます


公園のために寄付をしたオペラ歌手ミルカ・トルニナの名がつけられたミルカ・トルニナ湖



このあたりから段差が激しく水の勢いも強い滝が続きました。
   


遊歩道のすぐ横を勢いよく滝が流れて行きます。



ミラノヴァツ湖まで来ると結構大きな滝が見えました。

幾筋もの流れが美しい
 
 ここでも遊歩道の横は滝


公園の中心にあるコズイヤク湖


コズイヤク湖から遊覧船でホテル近くまで戻ることになっています。
遊覧船乗り場を目指しました。

美しい湖の色
 
 遊覧船乗り場


色付き始めた山を眺めながら帰路につきます。


雨に降られたのは残念でしたが、それでも美しい。
晴れていたら湖の色がより美しかったのでしょうね。
上湖群のヴェシキ・ブルシュウタヴツィ滝も見応えがあるそうです。


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参考文献

21世紀世界遺産の旅 小学館
プリトヴィツェ湖群国立公園パンフレット(日本語版)
るるぶ クロアチア・スロヴェニア

基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。