イラクリオン考古学博物館 クレタ島最大の街イラクリオン 街の考古学博物館ではクレタ島の出土品を展示しています。 クノッソス宮殿のオリジナルは全てここにあります。 2016年9月訪問 写真は牛飛びの儀式(クノッソス宮殿出土)
キクラデス文明
ミノア文明
ミノア文明の神聖なシンボル
ミノア人は素晴らしい金属加工技術を有していたようです。
なんともモダンな印象を受けますが実は紀元前18世紀ころの土器。カマレス式土器と呼ばれます。 カマレス式土器はエジプトなど地中海沿岸各地で見つかっているそうです。 今でもモダンでセンス良く感じるのですから、人気があって各地に輸出されたのでしょう。
優れた技術とセンスの良さを感じさせるミノア文明の出土品ですが、 この文明を生んだ人たちのことは良く分かっていません。
彼らの暮らしぶりを詳しく知りたいところですが、残念ながら彼らの文字(線文字A)は解読されていません。 それどころか、クレタ南部のフェストス(ファイストス)遺跡から出土した円盤には、 他に例のない謎の文字が刻まれています。 フェストス(ファイストス)の円盤 文字が余りに可愛いいので、ちょっと紹介。 お花やボタンみたいなもの 髪の毛がある人、ない人、女の人?、歩いている人?? こんなに可愛い文字なのに、誰も解読できず、謎のまま。
まず、分かっているのは、ともかく牡牛が重要視されていたこと 古い時代から、延々と牡牛の像が作られ続けます。
ミノア文明では牛を使った行事・競技も行われました。 有名な牛飛びの儀式の壁画・中央部分
牡牛の角を掴む少女部分のアップ 少女の真剣な眼差しと牡牛の猛々しさが印象的 牛飛びの競技者像 象牙に金箔が貼られていました。
牡牛が男性原理、蛇が女性原理という説もあるようです。 こちらは「礼拝者像」 敬礼してるのが、当時の礼拝様式
アギア・トリアーダの石棺 この美しい箱は死者を葬る棺。この博物館で是非見たかったものの一つです。 紀元前15世紀ころの棺です。当時の人々の死者を弔う気持ちが伝わってくる気がします。 牛を祭壇に生贄として捧げています。右側には聖なる牛の角。 死者を弔うものなのに全体的に明るい雰囲気 中央部分をアップで撮ってみました。 生贄の牛がなんとも恨めしい表情。 左右の女性、どちらも綺麗だけど同じ人種なのでしょうか。 個性の現れなのか、人種の違いなのか・・・雰囲気違います。 反対側も捧げものを持つ行列
1階だけでもお腹一杯になるほどの充実度ですが、この博物館の最大の見どころは2階です。 時間がなかったら、まず2階から見るべき。 2階
まずはクノッソス宮殿に飾られていたレプリカのオリジナルを紹介。 献上行列のオリジナルと説明図
百合の王子上半身のアップ
王妃の間のイルカ。オリジナルはほんの一部みたいです。
こちらはグリフィン?浮彫壁画です。 「青の婦人たち」と呼ばれる壁画。オリジナル部分が本当に僅かなのに驚きます。 クノッソス宮殿東翼から見つかりました。 こちらも有名な壁画。でも、よく見ないと分からない。
実はクノッソス宮殿から見つかった壁画には女性が数多く描かれています。 女性たちが王宮で重要な役割を果たしていたようです。 クノッソスの女王と呼ばれる壁画。立体的な浮彫壁画 座っているのは高貴な人物の証。女王ではなく女神かもしれません。 クノッソス宮殿の玉座の間の北に位置する宝物庫から見つかった儀式の壁画 聖なる木の下で踊る少女たち。観衆の男性は赤銅色に塗られています。
男性を赤銅色で塗りつぶすというのは、ちょっと斬新な技法ですよね。 宮殿で行われる儀式 ここでも男性の観衆は赤銅色 右側の建物にはU字型の聖なる牛の角が並んでいます。 儀式の壁画のところに一緒に展示されていました。白い肌だけど男性?女性? ミノア文明では動植物も好んで描かれました。 宮殿近くの貴族の家から見つかった壁画も見事です。 青い猿 水鳥 百合の花の壁画は好まれたようです。繊細で美しい。 1階に戻ります。 ミケーネ時代
両手を上げた女神像。このポーズ流行ってたんですね。 ローマ・ヘレニズム時代
実に見ごたえのある博物館 クノッソス宮殿と合わせて絶対見るべき場所です 大興奮の2時間でした。 できれば半日かけたい。 ギリシャと周辺の遺跡に戻る 参考文献 クノッソス ミノア文明 ソソ・ロギアードゥ・プラトノス著(遺跡で購入した解説書) 古代ギリシャ・時空を超えた旅(2016年展覧会図録) ギリシャ神話 呉茂一著 新潮社 図説ギリシャ・エーゲ海文明の歴史を訪ねて 周藤芳幸著 ふくろうの本 図説ギリシャ・神話神々の世界篇 松島道也著 ふくろうの本 図説ギリシャ・英雄たちの世界篇 松島道也・岡部紘三著 ふくろうの本 古代地中海血ぬられた神話 森本哲郎編 文春文庫ビジュアル版 基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。 |
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