コリントス遺跡 多くのギリシャ神話の舞台となった街 交易で潤った商業都市で歓楽街も抱えていた街 幾つもの顔を持つコリントス遺跡を訪れました。 2020年1月訪問 写真はコリンティアコス湾を背にしたアポロン神殿 ![]()
遺跡にあった案内図をもとに地図を作ってみました。 音楽堂と劇場はチケットが必要なエリアの外にあります。 ![]() 遺跡入口から道を挟んで反対側に遺跡らしきものが見えます。 音楽堂だと思うのですが、まずはチケットを買って遺跡に入りました。 入り口正面が博物館なのですが、左手にグラウケの泉とアポロン神殿が見えます。 コリントスの遺跡はほとんどがローマ時代のものでギリシャ時代のものはこの2つだけ。 気になるので博物館の前に見学することとしました。 グラウケの泉 ここはイアソンに恋し、結婚しようとしたコリントス王女グラウケが イアソンに離婚されたメディアから贈られた衣を着て火だるまになり、飛び込んだとされる場所 ![]()
遺跡に復元図がありました。ヘレニズム時代(前4世紀~前1世紀)のもののようです。 ギリシャ時代のものと聞いていましたが、結構新しいものなのですね。 ![]() どうやら、ここは泉から水を引いて人々が水を汲む貯水槽だったようです。 ちょっと回り込んでみました。中に人が入れそうですね。 ![]() ギリシャ神話はミケーネ文明(前1450年~前1150年)の社会を反映したものと言われます。 きっとメディアの時代は(メディアが本当にいたのか、モデルがいたのかは不明ですが) このあたりに飛び込める泉があって、後に貯水槽が造られたんでしょう。 それにしてもイアソンは酷い男だと思いつつ、 少し小高い所に見えるアポロン神殿に移動します。 アポロン神殿 ![]()
神殿から見えたのはコリンティアコス湾 海が見えるだけでなく、神殿の背後(南側)にはアクロコリントスの丘 ![]()
![]() アポロン神殿は正面と横で柱の間隔が違うのだそうです。 ![]() アポロン神殿に見とれて周囲を何周もしてしまいました。 アポロン神殿からはアゴラも見下ろせます。 ![]() アゴラも見なくてはなりません。 時間が無くなるので、まずは博物館に移動します。 博物館 ローマ時代の出土品が多い博物館でしたが、古い時代から紹介します。 ミケーネ期 ![]()
アルカイック期(前800~前480年) 前6世紀の壺 ![]()
前575~550年ころの美しいスフィンクス。アルカイックスマイルが素敵。
ローマ期 ローマ時代のモザイク ![]()
劇場を飾っていたレリーフ ![]() 彫られているのはアマゾネスとの戦い
北バシリカを飾っていた捕虜のファサード ![]() 古代アナトリア(現トルコ)中央部にあったフリギアを破ったのを記念したもの ハンサムですが捕虜なんでしょうか。コリントス式の柱頭も綺麗。
博物館の後はローマ時代の遺跡見学です。 タクシーの運転手さんと1時間半後の集合を約束したのですが アポロン神殿と博物館でちょっと時間を使い過ぎました。 まずは博物館の裏手にあるオクタヴィアの神殿を目指すことにしました。 オクタヴィアの神殿 ![]()
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オクタヴィアの神殿から真っ直ぐ進むとアゴラに出ます。 アゴラ アポロン神殿の南に広がるアゴラ。 ![]() アーチの屋根が目を引きます。かってアゴラに並んでいた建物の一部でしょう。 アポロン神殿に近いアゴラ北側は何とも絵になります。 ![]() 遺跡の中でも一段小高いところにあるアポロン神殿 ローマに破壊されずに残って本当に良かった。ローマ時代も信仰されていたんでしょうか。
広いアゴラは中央部にもいくつも見どころがあります。
アクロコリントスを背にしたアゴラ。ベーマ周辺。 ![]() アゴラは実に広い。 アゴラの南側にも南ストア(柱廊)など見どころがあるのですが 残り時間が少なくなってきたのでアゴラの北にあるレカイオン通りを目指すことにします。 アゴラ北側の復元図 ![]()
おそらく北バシリカの跡 ![]() アゴラから階段を下りていきます。 レカイオン通り かって港まで通じていたというレカイオン通り ![]() かなり広い道です。道の両側に一段高くなっているのは歩道でしょうか。 ピレーネの泉 アゴラからレカイオン通りに階段を下りていくと、右手に見えるピレーネの泉 ![]()
正面から見た泉 ![]()
![]() 泉の先に綺麗な白い柱が見えます。 ガイドブックによると、エウリレクスの大浴場とかの見どころが先にあるらしいのですが ロープが張ってあって先に進めません。 ![]() 奥に行く道を探したんですが見つからないので諦めて通りに戻りました。 広い通りの左右は一段高く綺麗に整備されています。やはり歩道のようです。 ![]() かって通りの左右に多くの建物があったことは分かりますが、建物の形を想像するのは難しい。 ところどころに立派な柱?やコリントス式の柱頭が置かれていました。
レカイオン通りの先が出口です。 タクシーの運転手さんと合流して、車で入り口付近に戻ってもらいました。 音楽堂(オデオン) ![]() ローマ時代の音楽堂(オデオン)。収容人数3000人。 元の姿を想像するのも難しいですが、かっては屋根もありました。 オデオンの先に劇場がありました。 劇場 ![]()
コリントスの街は4世紀・6世紀に地震で大きな被害を受けます。 その後も戦乱等で街は何度も破壊されましたが、その度に街は再建され復活しました。 今もペロポネソス半島第2の街となっています。 正直1時間半では足りませんでした。 ![]() お天気に恵まれたこともありますが、何とも明るい遺跡です。 機会があればアクロコリントスにも行ってみたい。 ギリシャ周辺の遺跡に戻る ![]() 参考文献 古代ギリシャ・時空を超えた旅(2016年東博展覧会図録) ギリシャ神話 呉茂一著 新潮社 ギリシャの神話・神々の時代 カール・ケレーニイ著 中央公論社 ギリシャの神話・英雄の時代 カール・ケレーニイ著 中央公論社 図説ギリシャ・エーゲ海文明の歴史を訪ねて 周藤芳幸著 ふくろうの本 図説ギリシャ神話・神々の世界篇 松島達也著 ふくろうの本 図説ギリシャ神話・英雄たちの世界篇 松島達也・岡部紘三著 ふくろうの本 古代ギリシャがんちく図鑑 柴崎みゆき著 バジリコ株式会社 |
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