ミケーネ遺跡とティリンス遺跡 ギリシャ神話の英雄たちの時代 ホメロスが謳い、ギリシャ悲劇の舞台ともなった場所 ミケーネ文明の遺跡ミケーネとティリンスを訪れました。 2017年4月訪問 写真はミケーネのライオン門 ![]()
ミケーネ遺跡 ミケーネ遺跡遠望 ![]()
まずは入口のライオン門を目指します。城壁が立派。 ![]() ライオン門です。いかにも武骨っていった感じ。 ![]() ライオン門の名前の由来となった相対する2匹のライオン ![]() ライオンの頭が分かりにくいですが、上を向いて咆哮している姿でしょうか。 門を構成する石の巨大さには圧倒されます。開口部の高さ3.1m、幅3m。 左右の巨石には穴があって、かっては二重の木の扉があったと考えられます。
右上の写真の少年のそばの窪みには見張り番がいたらしいです。 門を入ると、右手にシュリーマンが発掘した円形墳墓Aが現れます。 円形墳墓Aは周囲を2重の石の壁で丸く囲まれていて、外側の壁からの直径約28m。 ![]()
シュリーマンが発掘した数々の副葬品はアテネの国立考古学博物館で展示されています。 有名なアガメムノンのマスク ![]()
黄金のマスクはアガメムノンのマスク以外にも複数見つかっています。
副葬品の金製品はまばゆいばかり ![]() 金細工の技術も素晴らしい。
副葬品の中でミケーネ文明らしいものといえば青銅製の剣でしょう。 クレタのミノア文明ではほとんど見られなかった武具が副葬品として現れます。 獅子狩りの様子が金で象嵌された剣 ![]() こちらは鳥が象嵌されています。 ![]()
円形墳墓Aはできたころ(前1550年ころ)は城壁の外にあり、 その後、前13世紀に城壁が拡張された時に城壁内に取り込まれたのだそうです。 シュリーマンの発掘後、別の円形墳墓Bも発見され、より古い紀元前1600年ころのものとされています。 その後、神官の居住地などを見ながら、遺跡を登って行きました。
登り切ったところが王宮 ![]() 遺跡で最も高い場所に王宮は位置します。 中に入れないので分かりにくいですが・・・
王の居室の炉は聖なる炉とされていたようで、ミケーネ文明特有のものです。 ちょっと違う方向から撮ってみました。王宮内は立入禁止なので写真を撮るのも難しい・・・。
王宮に仕える女官でしょうか。ミノア文明の影響を感じますが、硬い印象。 ![]()
炉があった部屋の裏手に回り込んでみると、王宮の下は断崖絶壁です。 とことん防御を考えた造りのようです。 ![]() 王宮の裏手を下って行きます。職人の工房とのことですが、何が何やら・・ ただ、お花が綺麗。4月に訪れたおかげで野草が満開でした。 ![]() 緑が豊かなのはこの時期だけなんだそうです。 更に下って行くと、城壁に小さな出入口が開いています。これは出陣の門(裏門) 戦いの時ここから出たそうですが、この大きさだとこっそりとしか出られませんよね。 奇襲攻撃用の門なんでしょうか。
出陣の門の近くに面白いものがありました。 ![]()
籠城用の貯水槽とか、奇襲攻撃用としか思えない門とか・・・ なんというか、日本の戦国時代の山城とか砦といった感じ? ここから入口に戻ります。途中、見ることができるのが、こちら。 北門 ![]()
これにてミケーネ遺跡の観光終了 次は近くのアトレウスの宝庫。 車に乗ったと思ったら、あっという間にアトレウスの宝庫に着きました。 アトレウスの宝庫 観光客で賑わうアトレウスの宝庫 ![]()
前のグループがトロスの中に入ったところで撮りました。通路部分は36mの長さ。 整った石組みが見事。 ![]()
トロス部天井。直径14.6m。33層に石が組まれています。 ![]() 武骨な印象を受けるミケーネですが、石組みの見事さには圧倒されます。 ティリンス遺跡 車窓から見たティリンス遺跡 ![]()
朝8時に遺跡が開くのを待って一番に入りました。 ティリンスの城壁の石はミケーネより大きい気がします。凄い迫力。 ![]()
入口の門でしょう。保存状態は悪いものの巨大な石が置かれています。 この入口の石にも横に穴があり、ライオン門のように、かっては木の扉があったのでしょうね。 ![]() 王宮。ミケーネ遺跡と同じく3つの部屋から成るメガロン様。手前には大広間があります。 ![]()
最後にティリンス遺跡で一番見たかったトンネル 実際には倉庫だったのではないかと考えられているそうです。 巨石を組み合わせたトンネルの迫力は物凄かった。 中に入りたかったけど、石が崩れたら一瞬でお陀仏でしょう。 ![]() 武骨という印象のミケーネ文明 迫力ある巨石の石組みに圧倒されます。 前1200年ころ、ミケーネ文明の宮殿は破壊され 以後、ギリシャは前8世紀ころのポリス誕生まで長い暗黒時代に入ります。 トロイ戦争で疲弊したからとも、海の民の侵入によるとも言われますが ミケーネ文明終焉の理由は明らかになっていません。 ギリシャと周辺の遺跡に戻る ![]() 参考文献 古代ギリシャ・時空を超えた旅(2016年東博展覧会図録) ギリシャ神話 呉茂一著 新潮社 ギリシャの神話・神々の時代 カール・ケレーニイ著 中央公論社 ギリシャの神話・英雄の時代 カール・ケレーニイ著 中央公論社 図説ギリシャ・エーゲ海文明の歴史を訪ねて 周藤芳幸著 ふくろうの本 図説ギリシャ神話・神々の世界篇 松島達也著 ふくろうの本 図説ギリシャ神話・英雄たちの世界篇 松島達也・岡部紘三著 ふくろうの本 目で見る世界七不思議の旅 森本哲郎編 文春文庫ビジュアル版 古代ギリシャがんちく図鑑 柴崎みゆき著 バジリコ株式会社 基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。 |
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