アンベール城

ジャイプルの郊外にあるアンベール城
山の上に建つ城には、この地の王が暮らしていました。
象のタクシーが人気です。
2005年12月訪問

写真は城の入口と象の列


デリーから南西に約266キロのところに位置するジャイプルはラージャスタン州の州都です。ラージャスタンというのは戦いが得意で勇猛さと独立心の強さで知られたラージプートという人たちの国だったところ。ラージャスタンのクシャトリヤだったラージプート達の王国はかっては25もあったといい、彼らは互いに覇を争い、ムガール帝国にも抵抗しました。
そんな勇猛果敢なラージプートの中でも特に有力だったカチワーハ家の王国・アンベール王国の都だったのがジャイプルの郊外にあるアンベール城。16世紀に建築が始まったというアンベール城は、18世紀前半まで王が暮らしていた場所であり、王の生活ぶりを偲ばせる立派なものです。

ジャイプルから車で30分ほど。アンベール城が見えて来ました。



川沿いの丘の上に建つ城は、いかにも防御を考えた造り。

アンベール城ヘは、もちろん歩いて行くこともできますが、観光客に人気なのが象のタクシー。

象さんは、みんな右の写真みたいにお化粧してもらっていました。

象タクシーは2人乗り。乗り場は長蛇の列となっています。

実は私が行った2005年は少し前に象さんが、お客を踏みつけちゃったという事件というか事故があり、それが象さんたちの働き過ぎが原因ということから、客の人数制限ができていて、午前中でないと象さんタクシーには乗れないということでした。

大人しそうな象さんですが、やはり怒ると怖いのですね。踏みつけられた人は無事だったんでしょうか・・・・。そんな事故があっても、大人気なのは凄いですね。

象タクシーを待っている間は、しつこい土産物屋が離れてくれないので、ちょっときつい。
順番待ちの間に木彫りの象さん人形は3個1000円から20個1000円にまで暴落しました。
買わないけど。


象さんタクシーの乗りごごちはというと・・・・
正直、微妙。ゆっくり大きく揺れるんですよね。
15分くらいで丘の上の城に入りました。
写真はお仕事を終えて次のお客のために城を出る象さんたちの列。


象を降りる場所は広場のようになっています。
象を降りて少し階段を登って、いよいよお城の中へ。


入ってすぐのところに広場を見下ろす吹き抜けの建物がありました。


ここは一般謁見の間
柱の象の装飾が綺麗です。





一般謁見の間の奥にガネーシャ門。
この奥が王達の私的な宮殿。


ガネーシャ門の2階は透かし彫りの窓になっています。
この透かし彫りの窓から姫たちが花を降らせて王たちを出迎えたんだそうです。
この門は世界一美しい門とも言われるとか。


ガネーシャ門の名前の由来らしきガネーシャが描かれていました。




門をくぐると庭園があり、庭園を囲んで建物が並んでいます。
逆光になってしまいましたが・・・庭園は幾何学模様。ペルシャ風庭園です。


庭園には噴水もあるそうですが、残念ながら止まってました。


まずは城内の高いところに登ってぐるりと見て周ることに。ガイドさんによると、かって、この地では王達は山の上に城を築き互いに争ったのだそうです。城は堅牢な造りだし、宮殿の裏の山の上には更に要塞が建てられているのも分かります。日本の戦国時代みたいな感じだったんでしょうか。

そういえばガイドさんはラージプートは日本の武士みたいな感じ、サムライ〜と強調していました。

象を争わせた場所 入口が大きい  宮殿の裏山にあるジャイガル要塞


川の中に庭園が造られています。



こちらは宮殿内の最上階の建物
お姫様がブランコで遊んだのだとか。



庭園と裏の要塞が良く見えました。



街も見下ろせます。凄い眺め。



庭園まで戻って、庭園に面した建物を見学





一歩足を踏み入れると驚きの美しさ
なんて繊細で綺麗なんでしょう!



丘の上に城を建て、更に、その奥の山の上に要塞を建てるというのは、それだけこの地が争いの多い地だったのでしょうが、宮殿の中は繊細な美しさで満ちていました。とりわけ美しいのが勝利の間と呼ばれる部屋。壁面に鏡が散りばめられていて美しく光るのです。昼間も美しいのですが、夜、灯りをともすと、その灯りが鏡に反射して、それは見事な美しさなのだとか。




綺麗という言葉しか出て来ません。ため息ものの美しさ。

   


勇猛果敢な人達が、このような繊細な美しさを好んだというのも面白い。




勝利の間の両脇の部屋には美しいステンドグラスもありました。
   



最後に宮殿内の美しい天井
   



宮殿内は他にも室内に水が流れるような工夫がされていたり見どころがたくさん。
こんなに素晴らしいのに、なんで世界遺産ではないんだろうと思っていたら
2013年に世界遺産に登録されたそうです。



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参考文献

地球の歩き方インド(ダイヤモンド社)

私が行った2005年は世界遺産になっていなかったためか
余り資料がありませんでした。
基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。