パエストゥム 南イタリアの小さな町に残る 保存状態の良い3つのギリシャ神殿 神殿が並ぶ様は壮観です。 2017年10月訪問 写真は遺跡南の第一ヘラ神殿と第二ヘラ神殿 ![]()
遺跡の入口は何ヵ所かありますが、南の入口から入って観光を始めました。 遺跡に入って少し進むとすぐに遺跡を南北に貫く聖なる道。 そして、右手(東)に2つの立派な神殿が見えて来ます。左手(西)は住居地区 ![]() 手前が遺跡で一番古い第一ヘラ神殿(バジリカ)、その奥が第二ヘラ神殿 ![]()
現地ガイドさんが見せてくれた復元図 ![]() パエストゥムの建物は多孔質石灰岩で建てられています。かっては漆喰が塗られ彩色されていました。 ギリシャ神殿は朝日が昇る東側が正面。神殿正面の東側に向かいます。 第一ヘラ神殿(バジリカ) ![]()
神殿内部 ![]() 神室内部を2分する列柱が残っているのが分かるでしょうか。 ![]() すぐ隣にも見事な神殿 第二ヘラ神殿(ポセイドン神殿) ![]()
![]() この神殿は最も保存状態の良いギリシャ神殿と言われています。 正直なところ、「最も保存状態の良いギリシャ神殿」って各地に幾つもあるんですが この神殿は内陣の保存状態の良さが見どころ。この神殿も中に入って観光可能です。
![]() 私たちは神殿内部に入って見学できますが、かっては入れるのは神官だけでした。 神殿の前には一般の人たちが捧げ物をした供物台が残っています。 ![]() 現地ガイドさんから、第一ヘラ神殿と第二ヘラ神殿の柱を比べて見て、と言われました。 第一ヘラ神殿と第二ヘラ神殿の建築は約100年の違いがあります。 どちらも床の上に直接柱が置かれ、柱頭がシンプルなドーリア式ですが 時代によって変わって行ったことが良く分かります。
並んで建っているので比べ易い。 ドーリア式は神殿が木造だった時の建築構造が様式化されているそうです。 それにしても、こんな立派な神殿が隣り合って建っているなんて本当に凄い。 なんとも言えない贅沢な気分。 逆光になってしまいましたが、第二ヘラ神殿側から見た2つの神殿 ![]()
神殿を離れ、遺跡を北に進みます。 神殿近くの沐浴場。神官も神殿に入る前には身を清める必要がありました。 ![]() 基礎しか残っていないアスクレピアス神殿。医療の神です。 ![]() 少し進むと広々とした空間 フォロ ![]()
聖なる道側から見てみました。屋根付回廊があったことがなんとなく分かります。 ![]() 僅かに残る立派な柱のあと ![]() フォロから古代の道に沿って北に少し進むと 煉瓦造りのアーチを持つ建物が見えて来ます。 ![]() 円形闘技場 ![]()
円形闘技場入口。奥に見える柵の向こうが道路。 ![]() 内部から見た円形闘技場 ![]() 円形闘技場を出ると再び廃墟が続きます。 かっては、ここらへんは高級住宅地だったそうですが・・・。 ![]() 廃墟の中を北に進み続けると高台に美しい建物が見えて来ました。 ![]() アテネ神殿(ケレス神殿) ![]()
博物館は遺跡のすぐ近くにあって、パエストゥムや近隣の遺跡からの出土品を展示しています。 遺跡北側の出入り口から博物館に向かいます。 博物館に向かう途中に、こんな建造物発見。遺跡を歩いていた時は気が付きませんでした。 形や大きさからすると音楽堂であり議事堂でもあるオデオンでしょうか。 ![]() 国立考古学博物館 紀元前5世紀の壺と蜂蜜
第一ヘラ神殿のテラコッタ製の獅子の雨樋 ![]() かっては美しく彩色されていました。 第一ヘラ神殿の彩色された装飾版(復元模型) ![]()
飛び込む人の墓 ![]()
全裸の男性が飛び込む姿が描かれた棺の蓋 ![]() あの世・来世に飛び込む姿を象徴していると考えられています
側面に描かれた男性同士の饗宴 ![]() 杯に残ったワインを投げるというワイン投げ遊びをしています。 ![]() ちょっと謎の遊びですが、宴会でやると盛り上がったんですかね。 ギリシャでは男性同士の愛情が至高のものだったそうです。つまり彼らはカップル。 ![]() 竪琴や縦笛を楽しんでます。
なんとも平和なギリシャ時代の生活が偲ばれます。 こちらはルカニア人の墓 ![]()
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夫婦の墓 ![]() 夫婦の墓の副葬品には妻が結婚のお祝いに贈られた品も含まれていました。 大事に使っていたんでしょうね。 ![]() 自由時間があったので遺跡に戻り、聖なる道を散策。 ![]() フォロの側で見つけた謎の建物 ![]() 緑も多く、気持ちの良い遺跡です。 子供も気持ちよいのか、聖なる道で跳ねてました。 ![]() シチリアのアグリジェンドに並ぶイタリアのギリシャ遺跡といえると思います。 特に遺跡南側に並ぶ2つの大神殿は圧倒されました。 北のアテネ神殿も非常に美しい。 博物館が遺跡のすぐ隣なのも嬉しい。 イタリアと周辺の遺跡に戻る ![]() 参考文献 ナポリと南イタリアを歩く 小森谷賢二・小森谷慶子著 新潮社 とんぼの本 基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。 |
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