アタカマ高地

ボリビアとアルゼンチンの国境にほど近いサン・ペドロ・デ・アタカマ
標高2500mのこの町はアタカマ高地観光の拠点です。
3日間滞在してアタカマ高地を見て回りました。
2009年8月訪問

写真は夕焼けのリンカン・カブールと月の谷



月の谷



サン・ペドロの町から車で30分ほどのところに月の谷はあります。ご覧のような荒涼とした景色が2キロに渡って続き、まるで月のようだということから、このような名前が付いたのだそうです。
これらの岩は岩塩を多く含んでいて、国立公園に指定される前は、いくつもの岩塩の採掘場があったということでした。

月の谷を散策すると奇妙な岩肌が目につきます。塩を多く含む岩ならではの光景です。
岩に含まれる塩が昼夜の温度差で音を出したりすることもあるとか。雨季は岩肌は真っ白になるそうです。
     


まるで城壁のような岩(左)や3人のマリアと呼ばれる奇岩(右)。
3人のマリアは中央がキリストを抱くマリアで右は拝んでいる姿、左は残念ながら崩れてしまっています。
   



ミスカンティ湖とミニケス湖

サン・ペドロから南に約86キロ、アルゼンチンとの国境に近い場所にミスカンティ湖とミニケス湖はあります。2つの湖は、どちらも標高約4350mの高地にあり、それぞれミスカンティ山(5622m)、ミニケス山(5910m)の麓にあります。サン・ペドロから南に進み、徐々に高度を上げながら湖を目指します。

途中、ソカイレ村という小さな村を通りました。
標高3218m。高い山が間近に見えて来ます。
この村はインカから続く村で、家の屋根は高山植物であるパハ・ブラバを葺いたもの。
   


2つの湖はチリの国立保護地区に指定されています。
入口で手続きをしている間に写真を撮ってみました。
標高の高さが身に沁みます。植物は高地でも生えるパハ・ブラバのみ。



ミスカンティ湖

2週間前に雪が降ったということで湖も白く雪を被っていました。寒いけれど美しい。
ミスカンティ湖は表面積が15㎢という大きな湖で、周囲を高い山々が取り囲んでいます。



湖が雪を被ってしまったのは残念ですが、山の美しさはかえって引き立っている気がします。
   


ミニケス湖

ミニケス湖はミスカンティ湖と歩いて行ける距離にあります。
ミスカンティ湖の10分の1ほどの小さい湖です。




チャクサ湖

アタカマ塩湖の中にあるチャクサ湖はフラミンゴで有名です。


サン・ペドロの南、標高約2300mのところにアタカマ塩湖はあります。この塩湖はボリビアのウユニ塩湖に次ぐ世界第2の広さの塩湖です。もっともウユニ塩湖のような白い大地が広がる塩湖ではなく、茶色っぽい泥の塊に雪が薄く積もっているといった感じの塩湖ですが、その中に水が張ったチャクサ湖があります。塩分の多いチャクサ湖の湖面はまるで鏡のよう。そこにフラミンゴが集まってきています。

フラミンゴというのは全世界で6種類しかいないそうで、ここには3種類のフラミンゴが集まるそうです。
尾が黒いのがアンデス・フラミンゴ(左)。
尾が赤いのはチリ・フラミンゴかジェームス・フラミンゴらしいのですが、ちょっと区別が難しい。
   


フラミンゴがまるで鏡の上に立っているように見えます。




タティオ間欠泉

サン・ペドロから北に約50キロ、標高4500mのところにタティオ間欠泉があります。


タティオ間欠泉は世界で最も標高の高い場所にある間欠泉。朝の方が外気温と吹き出す水の温度差が激しく、水蒸気が幻想的になるというので、ここの観光は朝方を狙うのが定番となっています。まだ、夜の暗いうちにホテルを出発し、日の出前に到着した時の気温はマイナス10度。4500mの高地だけのことはあります。しかし、寒い思いをしただけのことはあって、幻想的な景色。

水は最高5~6mの高さまで、水蒸気は20m以上吹き上がると言われています。
   


帰りに野生のビクーニャの群れに会えました。近くで見れてラッキー。
生えている植物はパハ・ブラバ。4000m以上の高地に生える植物です。
ビクーニャは標高3000mから5000mに生息しています。



更に標高が下がるとリャマが放牧されていました。耳にリボンを付けています。
   



トゥロール住居跡

サン・ペドロの町に近い所にトゥロールという遺跡があります。
   

この遺跡はまだ、全体の7パーセントしか発掘されていない、謎の多い遺跡です。

現時点で分かっているのは、約2000年前の住居跡だということ。

建物の復元がなされていました(上)。
見てのとおり、丸い住居。

チャニアールという木を柱にし、リャマの皮で木を結んで屋根を作り、屋根と壁は土を塗り固めるようにして作られています。

このような住居は昼涼しく、夜暖かいのだとか。

復元住居の近くに、集落跡が発掘されています。右の写真がそれです。

丸い住居が肩を寄せ合うように集まっています。小さな庭もあるとか。

400人くらいの集落だったと考えられています。

ちょっと信じられませんが、今は荒涼とした乾燥地帯のこの地も、昔は付近に川があり、肥沃な土地であったのではないかとのこと。

当時からリャマを飼って、皮や毛を利用していたそうです。



プカラ遺跡

サン・ペドロからほど近いプカラ遺跡


プカラ遺跡はティワナク文明が衰退した後、この地に残った人たちが防御用に作った城砦都市と考えられています。13世紀ころからインカが勢力を及ぼす1450年ころまで存続していたと考えられ、遺跡の両側に流れる川を守るためのものではないかということでした。遺跡は修復はなされていますが、あまり状態は良くありません。眺めはよいので山登りと思った方がいいかも。


アタカマ高地では自然のガイドブックをもらいました。
動物や鳥、植物のガイドブックです。
自然を楽しむ、こんな旅行も面白いかも。


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基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。