トゥクメ

チクライヨ郊外にあるトゥクメは謎の遺跡です。
その歴史的位置づけも定まりません。
ただ巨大なワカは圧倒的。
2011年9月に訪れました。

写真はワカ・ラルガ


 トゥクメ遺跡は、自然の山の周囲に26のワカが密集している巨大な遺跡です。

しかし、多くが謎のまま。かってはモチェ文化の遺跡とされましたが、近時は700年ころからインカに征服されるまで続いた独立した文化だという説や、シカン文化の中心が11〜12世紀にトゥクメに移ったのだ等の説が出されているそうです。要するに、よく分からない謎の遺跡なわけです。

写真は遺跡に隣接する博物館にあった復元模型


山を取り囲むように神殿が建築されているのが分かります。この山は聖なる山とされたツルガトーレ。多くのワカの中で、山と一体化するかのように巨大で長いワカがありますが、これはワカ・ラルガ。ラルガというのはスペイン語で「長い」という意味で、全長700mもあるそうです。トルヒーヨの太陽のワカの2倍の長さ。信じられない巨大さです。

これだけの巨大遺跡なのに、ほとんど何も分かっていないというのも凄いと思いますが、現在の航空写真を見ると仕方ないのかなとも思います。崩れちゃっていて、何が何だか分かりません。



トゥクメは海からやって来たとも言われているとか。博物館の展示品(復元模型)では、トゥクメではワカの作り方も他とは違うとか、ワカの中に部屋があるとか、ワカの周囲に商店街があった等々、他の遺跡とはかなり違うのだということが説明されていました。

しかし、この博物館、トゥクメの伝承を漫画で説明していて、それによると「最後の王が許されぬ恋をした。王は悩んで自殺した。その後、大雨になり、インカが来た(しっちゃかめっちゃかになっちゃった)」とのことです。う〜〜ん。ペルーの博物館は独創的な展示をしているところが多いのですが、ここまでチープに独創的な博物館はなかったので、どこまで本当か分かりかねます。

いくつか展示してあった壁画は本物かレプリカか分かりませんが、かわいくて、綺麗です。ちょっとチャンチャン遺跡のレリーフにも似ています。船が描かれているところは海洋国家だった由縁でしょうか。波の模様のようなレリーフも綺麗ですね。

   



博物館を出て、遺跡へ。
自然の山の手前にワカがあるのが分かります。



自然の山が展望台になっていました。
ワカ・ラルガが連なっている聖なる山・ツルガトーレです。



登るしかないので登ってみました。展望台からの風景

ワカ・ラルガ。本当に長い。



ワカ・ラルガの横にもワカが幾つもあったのが分かります。



遺跡入口方向。ワカがたくさんあります。



戻る途中にありました。レプリカでしょうか。
昔は綺麗で可愛い街並みだったのかも。



近くにあったレリーフ。レプリカなのかオリジナルなのか。
博物館で見たのと同じものでしょうか。
舟と鳥が印象的


謎の遺跡観光は遺跡見学というより山登りでした。
きっと凄い遺跡のはずなのですが・・・



南米の遺跡に戻る



何もないといっていいほど資料がありません。
現地ガイドさんの説明に基づいています。