太陽のワカ・月のワカ ペルー第3の都市、北ペルーのトルヒーヨ。 その郊外に太陽のワカ・月のワカがあります。 モチェ文化を代表する遺跡で、モチェ遺跡とも呼ばれます。 2011年9月訪問 写真は発掘調査が進む月のワカ。
少し離れたところから撮った太陽のワカ。実に巨大です。一部しか写りません。
ツアーでは、まず太陽のワカを見学して、居住区、月のワカの順で廻りました。
いよいよ月のワカ。 まるで工事中の建築現場のようです。 現地ガイドさんが月のワカ正面広場の復元図を見せてくれました。
月のワカに入ったところ。 正面の壁には何段にも描かれた壁画が残っていました。 人が写っているところの奥にある小さな部屋が捕虜が最後の時を過ごした場所です。 正面に見える壁画です。
月のワカでは調査・修復が続けられています。 左下は1段目の神官。神官の後に縄で繋がれた捕虜が続きます。 右下は2段目のダンサー。 捕虜が最後の時を過ごした小部屋。壁画が美しい。 この壁画はモチェの世界観を示しているのだそうです。 神官やイグアナ、トトラ舟などが描かれています。 儀式の凄惨さと裏腹に、おとぎ話のような夢の世界のような・・・ 美しいのでアップで撮ってみました。 横壁には戦いの儀式が描かれてました。頭を打たれた方が負け。 捕虜が繋がれて降りたというスロープを上がっていきます。 スロープを上がると、巨石のある小さな広場に出ました。 ガスがかかってましたが、白い丘の頂上が見える場所のようです。 ここは神聖な場所だったそうで、ここでも儀式が行われたそうですが・・・ 説明図でも分かるように、ここは生贄を捧げた場所です。 興味深いのは、ここで発見された生贄の遺体はエル・ニーニョによる洪水後に葬られていること。 雨乞いの儀式だけでなく、洪水に対する儀式も行われていたわけです。 過酷な自然の中で暮らしていたモチェの人々の切実な祈りなんでしょうけれど・・・。 月のワカの頂上部分に出ました。多くの壁画が残っているようです。 残っていた壁画と説明図 かっては、かなり色鮮やかに飾られた空間だったようです。 しかし、ここには捕虜達が雨乞いの儀式前に断食をさせられた部屋が残っています。 捕虜の部屋に通じる階段はモチェで発見された唯一の階段です。 捕虜達は雨乞いの儀式の前、3日間をここで断食して過ごしたのだそうです。 月のワカの見学範囲は結構広く、歩いて移動しながらの見学が続きます。
モチェの人たちは様式化が得意です。 海鳥だとか、マンタだとか、ヘビだとか・・・ どれがどれだか分かりませんが、妙に惹きつけられます。 センスいいですよね。 海鳥やマンタからモチェが海洋国家でもあったことが分かります。
実に見ごたえがありました。 日干し煉瓦でできたモチェ文化の神殿は今では泥の丘にしか見えません。 しかし、かっては非常に美しい立派な建物だったこと、それをこの遺跡は教えてくれます。 こんなに凄いのに、なぜ、世界遺産になっていないんでしょうか。 それとも世界遺産になるのは時間の問題? 近くには博物館もあります。 工夫が見られる博物館で見ごたえがありました。 残念ながら写真撮影は禁止でしたが・・・ 南米の遺跡に戻る 参考文献 古代アンデス 神殿から始まる文明(朝日新聞出版・大貫良夫/加藤泰建/関雄二 編) 沈黙の古代遺跡 マヤ・インカ文明の謎(講談社+α文庫・増田義郎監修・クォーク編集部編) 黄金王国モチェ発掘展(TBS) 参考文献が少なく、基本的に現地ガイドさんの説明を紹介しています。 今後、発掘調査が進めば、全く違う事実も出てくるかもしれません。 |
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