ブレッド湖

アルプスの瞳と称される景観
ユリアン・アルプスの山並みを映す
静かな湖を訪れました。
2019年10月

写真は朝もやのブレッド湖


ブレッド湖はスロヴェニアの首都リュプリャナから北西に車で約1時間半のイタリアやオーストリアとの国境に近い場所に位置する湖です。鏡のような静かな湖畔は、アルプスの瞳と称され、かってはハプスブルグ家のリゾート地でした。現在も世界中から多くの人々が訪れています。

午前中、リュプリャナを観光してからブレッド湖に向かいます。
湖近くの小さな町で昼食となりました。山が近くなっています。



ジンジャークッキー
ミルクも卵も使わないクッキー
   

食べることもできますが、むしろ飾りに利用したりするみたいです。

こちらは絶品のクリームケーキ
ブレッド湖のご当地スィーツ。おいしい、本当においしい。


チトー大統領も大好きだったと言うクリームケーキを堪能して、いよいよ湖です。




ブレッド湖は東西約2120m、南北約1380m、周囲約6q。
氷河によって形成された湖です。最深部の深さは約30m。


湖畔から約100mの高さの断崖の上に建つのはブレッド城


なんとも絵になる景色です。

湖には鴨がいっぱい



ブレッド湖に浮かぶ小島も美しい。


まず、このブレッド島にある聖母被昇天教会に向かいます。

聖母被昇天教会



聖母被昇天教会の建つブレッド島はスロヴェニアで唯一の島なんだそうです。日本みたいな島国からすると島が1つしかないなんて、ちょっと奇妙に感じますね。

島には手漕ぎボートで向かいます。10分くらいで到着。島に到着したら98段の石段(元々は100段あり、下の2段は湖中に没しているらしい)を上り、教会へ。

教会の歴史は古く、8〜9世紀に遡るそうです。現在の建物は17世紀にバロック様式で建てられたもの。
遠くからも鐘楼が印象的ですが、鐘楼も17世紀に建てられたもの。
この鐘楼の鐘をならすと願いが叶うとか、鐘を3回ならすと恋が叶うとか言われているそうです。

夫を亡くした女性が夫の蘇生を祈って湖中に鐘を投じたけれど願いは叶わず、女性は尼僧になって一生を終えました。それを知った時のローマ法王が教会に鐘を寄付したのだそうです。

元々は願いが叶わなかった女性の悲しい話だったのが、願いが叶うという話に変わっているのが不思議ですね。マリア様の力ということなのかなあ。

98段の階段
 
 階段を上りきると鐘楼

昔は結婚式の時に新郎が新婦をお姫様だっこして鐘楼を上ったんですって。
今は記念写真だけ撮って誤魔化すそうですけど。

お洒落で可愛い鐘楼
 
 鐘楼前にあった女性像

教会は普段は中に入って見学できるのですが、ミサがあって窓からの見学となりました。
小さな教会なのに凄い豪華な祭壇

 中央に聖母子像
左右の祭壇には領主夫婦の肖像
 

教会の周囲を散策。

崖の上のブレッド城
 
 深い緑色の湖面も美しい


小島の次は崖の上のお城を訪ねました。

ブレッド城



湖畔の崖の上に建つブレッド城。11世紀に建てられ、13世紀にハプスブルグ家に譲渡されました。

このお城はスロヴェニアで最古のお城なのだそうです。
お城の入口は、なんとも中世の雰囲気。お城の中には博物館もあり、お城の立体模型がありました。

最古のお城だけあって、決して広くはありませんが、崖を利用して建てられたお城は、いかにも中世のお城といった感じです、

城門から入って階段を上ると塔があり、城壁内に邸宅や礼拝堂などの幾つもの建物があるという構造。

今では博物館やレストランとして利用されていてワインセラーではワインの試飲と販売もしているし、なぜかグーテンベルクの印刷機を使った印刷室もあって、記念の風景画を印刷してくれます。

湖側に張り出たテラスは絶好の展望台。ここから眺める湖の景色は素晴らしい。

逆光になってしまいましたが、聖母被昇天教会のあるブレッド島を見下ろせます。

ブレッド島まで結構距離があったんですね
 
 望遠で撮ってみました


湖の東側はホテル街。今晩泊まるホテル・パークも見えました。



湖を眺めた後は城内の観光
城内は結構チープな印象。建物が古いんでしょうね。



城内の博物館ではブレッド湖周辺から集められた物が展示されています。

昔のカレンダー
月ごとの祭日が描かれています。
 
 金の細工
よく見ると渦巻き模様が凄い。

金の細工はポスターにもなってました。
拡大写真なので、渦巻き模様が良く分かります。



城内にある礼拝堂。ピンク色で可愛い。



かっての城主・ヘンドリック王と妻の肖像画
   


お城を離れる前に、今一度眺めた湖


お日様次第で湖面の色が変わります。
ちょっと雲が多かったのが残念。

こちらはブレッド城の入場券


何日か滞在すれば、こんな景色も見られるのかなあ。

それでもリュプリャナからの日帰りではなく1泊できて幸せでした。

ライトアップが始まった夜のブレッド城


ホテルの部屋のベランダからの眺めです。
お酒飲みながら、まったりと眺めを楽しみました。


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参考文献

図説バルカンの歴史 芝宣弘著 ふくろうの本 河出書房新社
ブレッド城パンフレット(日本語版)
るるぶ クロアチア・スロヴェニア

基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。