シギリヤ

スリランカ中央部の文化三角地帯にあるシギリヤ
古都ポロンナルワと合わせて1日で観光することが可能です。
シギリヤ・レディと呼ばれる美しい美女達の壁画で有名。
2011年5月に訪れました。

写真はシギリヤ・ロック


シギリヤは5世紀後半にカーシャパ王が180mもの岩山(シギリヤ・ロック)の上に14年かけて築き、11年間使われた宮殿の跡です。
カーシャパの母は身分が低く、弟の母は王家の血筋だったため、弟に王位を奪われるのを恐れ、父王を監禁し、王位に就きました。カーシャパは父に財産を要求しますが、父から財産は貯水池だと言われて怒り、父を殺害してしまいます。その後、カーシャパはインドに逃れた弟の報復を恐れ、岩山の上に要塞のような宮殿を築きました。しかし、結局は弟に攻められ、カーシャパは自害したそうです。

宮殿の周囲は堀になっています(左下)。昔はワニがいたそうです。堀から岩山までの間には沐浴場(右下)や上下水道・噴水の跡が残っています。かっての王宮の庭園だったところでしょう。

   

シギリヤ・レディはシギリヤ・ロックの側面に描かれています。かっては岩山の周囲に回廊があり、頂上の王宮までぐるぐると回るように登っていったそうですが、回廊は崩落してしまっているので、今はひたすら階段を登らなくてはなりません。

左下はシギリヤ・レディのある部分を下から写したもの。シギリヤ・レディを見るためには螺旋階段を上り下りしなくてはなりません。降り口から撮ってみました。

   


螺旋階段を登ると、シギリヤ・レディが描かれた壁に出ます。かっては500人の美女が描かれていたといいますが、現在見ることができるのは18人(23人との説もあるようですが)、保存状態の良いのはその中の数体です。彼女達はカーシャパ王の後宮の女性達とも天女とも言われています。
美女達を保護するためのカーテンとくぐると、いよいよシギリヤ・レディとご対面です。

入ってすぐに出迎えてくれるお方
想像以上の鮮やかさに驚きます。

   



次のお二人。有名なお二人ですよね。



薄いチュニックで胸を隠している女性は侍女なんだそうです。高貴な女性は胸を隠さなかったんですね。

   

見る角度で微妙に表情が変わります





こんな感じで、美女が続々と・・





その次のお二人。皆さん、ウエスト細すぎ。



なで肩に豊かな胸、そして細い腰
首飾りや耳飾り、頭飾りも美しい。みなさんアクセサリーも違います。
   

左の方、お美しいわ〜〜




このお二人も有名





一人たたずむこの方もお美しい。髪飾りも素敵。
   



かわいいのに、保存状態が悪いのが残念





こちらの方も保存状態が悪いのが残念。美人の雰囲気を感じます。




残念ながら保存状態が悪い方々。この皆さんもお美しかったに違いありません。
     

現地ガイドさんによると、彼女らはスリランカの美女だけでなく、インドの美女やモンゴロイドの美女もいるのだそうです。真偽は不明ながら、ともかく美しい。写真で見るより本物の方が色も鮮やかで見事です。びっくりするほど綺麗でした。

シギリヤ・レディのあたりからは王宮の庭園と貯水池がよく見下ろせます(左下)。右下の壁はミラー・ウォール(鏡の壁)と呼ばれる回廊の壁。かっては通路を挟んで壁に描かれた美女達を、この磨かれた壁が写していたのだそうです。王は両側の美女を見ながら進んだのだとか。
ミラー・ウォールには残念ながら落書きが多く、その中で一番読めるのは「あなたの目はスイカの種のようだ」というもの。褒め言葉なんでしょうか?

   



進むと建物の跡がありました。注目すべきは、その後ろにある巨石。よく見ると石の下にいくつものつっかえ棒があります。敵が来た時、この巨石を下に落として攻撃するようになっていたのだそうです。

   



更に進むと、ライオンの入り口と呼ばれる王宮への入り口に出ます。現在は足が残っているだけですが、かっては巨大なライオンが彫られ、ライオンの口を入って階段を登るようになっていたそうです。ライオン(シンハラ)ののど(ギリヤ)から、シギリヤと呼ばれたのだとか。現地ガイドさんに復元図を見せてもらいました(右下)。・・・・ちょっとイメージしていたのと違う。

   



頂上の王宮跡を見るために再び階段登りです。風が物凄く、注意が必要です。頂上の王宮跡にはダンスルーム・沐浴場などが残っていました。見晴らしも良いですが、風が凄いです。

   


玉座も残っていました。




王宮の見学が終わったら、あとはひたすら階段を降りていくことになります。

途中に見張り台がありました。台と言うより岩山の側面に掘られた穴です。手すりもなく、眠ると落ちてしまうという場所です。ここで寝ずの番をして敵の来襲に備えたわけです(左下)。
また、会議場と呼ばれる場所もありました(右下)。 

   



コブラの岩と呼ばれる岩です。




他にも降りてくる途中には礼拝場などもありました。岩肌に壁画の跡がかすかに残っている場所も数か所見ることができました。かっては、本当に美しい場所だったのでしょうね。



シギリヤ・レディは想像以上の美しさで行ってよかった。実は、この旅行直前に膝をひねってしまい、一旦は旅行のキャンセルも考えていたんです。シギリヤ・レディを見るための階段は凄いと聞いていましたから。確かに階段は凄かったですが、現地のお助けマンが荷物は持ってくれるし、上から引っ張ったり、下から押してくれるので、無事見学することができました。もちろんチップははずまないといけませんし、さすがに膝の治りは遅くなりましたけど。


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参考文献

スリランカ 日本語版(BONECHI)
世界遺産を旅する8(近畿日本ツーリスト)
現地ガイドさんの説明に基づいてまとめています。