黄龍

九寨溝からほど近い景勝地・黄龍
標高3080mの入口から3552mの五彩池へ
ロープーウェイもなかったころの姿です。

2002年5月訪問

写真は五彩池

黄龍は岷山山脈の主峰雪宝頂の下の玉翠山の麓の峡谷に広がる景勝地です。傾斜地に地表に露出した石灰岩層に水が溜まってできた大小の池が段々畑上に広がる美しい光景が見どころ。

黄龍は九寨溝とセットで訪れる人が多いと思います。私のツアーも九寨溝を2日かけて観光してから黄龍に移動するという日程でした。

九寨溝を出てから、4400mの峠を越えて黄龍を目指します。

九寨溝や黄龍のある岷山山脈は崑崙山脈の東端を構成する山脈。4000mを越える高地をバスは進みます。

途中、岷山山脈の最高峰5588mの雪宝頂を見ることができました。右の写真が雪宝頂。
雲が切れて姿を現したところ。

九寨溝では一番奥の長海は標高3103mですが、五花海は2472mだし、それほど高山病の心配をする必要はありません。

でも、黄龍は入口が3080m、最大の見どころで終着点となる五彩池は3552m。
高山病が心配となる高度です。

朝、九寨溝のホテルを出て、黄龍のホテルに着いたのがお昼頃。昼食を食べてから、夕方まで黄龍観光となりました。



黄龍の入口。涪源橋。標高3080m。


黄龍は今ではロープーウェィが出来ていて、入口から一挙に五彩池まで行けるようになったと聞きます。でも、私が行った2002年には自分の足で歩く以外は地元の人達の駕籠に乗ることができただけ。しかも、この駕籠、結構危ないとの評判。仕方なく自力で登ることに。

道は基本的に一本道。入口の涪源橋~迎賓池~飛瀑流輝~蓮台飛瀑~洗身洞~金沙舗池~盆景池~明鏡倒映池~娑夢彩池~争艶彩池~黄龍中寺~五彩池・黄龍后寺というルートです。

美しい景色を見ながら、ゆっくり登って行く・・・というのが理想形なのでしょうが、過酷な道のりでした。

なぜかというと水がない。
まだ凍ってるんです。


よく聞いたらGWのころはまだ雪が溶けていないことが多いんだそうです。
きっと水があったら綺麗なんだろうなあ、と考えつつ登って行きます。





盆景池のあたりでようやく美しい水を見ることができました。標高3300mを越えたあたりです。
   



木々が緑に色づいたら、もっと綺麗なんでしょうね。
九寨溝より標高が高いせいか、芽吹きも遅いようです。



水の透明感も凄い。右下の写真、ここに水が流れたら綺麗なんだろうなあ。
   


黄龍では右上の写真のような景色がよく見られます。
黄色い石の上を水が流れる様が黄色い龍の背中のようだと言われるそうです。
黄龍という名前の由来です。


ところどころ美しい池が現われますが、正直、途中までは水が少なく、したがって立ち止まって景色を楽しむということにもならず、結果的にひたすら登るということになりました。

やっぱり高地は辛い。私だけでなく、登って行くに連れて道端に座り込む人たちが次第に目に付くようになります。

高山病の症状が出る高さは人それぞれで、中には出発点の3080mで早々に諦めてホテルに残る人もいました。
もちろん元気溌剌の人もいるのですが・・・。

私の場合は3300mを越えたあたりから、急に頭が痛くなり、息が切れるようになりました。
初めての高地で準備不足だったのも悪かった。

ただ、ちょうど、そのころから美しい池が次々と現れるようになったので、それを支えに休み休み登って行きました。

なんせ黄龍の一番のポイントは一番上の五彩池。一番綺麗と言われたら、やっぱり頑張って見たいものです。


傾斜地に棚田のように石灰岩でできた池が連なります。
水の色が綺麗すぎる。鮮やかな水色。



身体は辛いが美しい。



しかし争艶彩池を過ぎると、その後は約1キロの登り道。ひたすら階段を登ります。このあたり、3400m。3400mで階段登りを強いられるなんて辛すぎる。確かに綺麗な景色だけど・・・。




古い建物に出ました。黄龍中寺です。
中には仏様。


このあたりで奇妙な食べ物が売っていましたがバテていて食べられませんでした。

もうちょっとらしいので頑張ります。



そして、ついに五彩池・3552mに到着。

絵のような美しさ。本当に綺麗。この色はなんなのでしょう。
頑張って登った甲斐がありました。

普通、こんな水色で池を描いたら綺麗すぎて逆に嘘っぽいですよね。
自然って凄い。


周囲は散策路になっていて一周できます。



ところどころ水の色が微妙に違うのも面白い。

沈殿物や光の加減で様々な色に見えるのだそうです。


綺麗。きれい。キレイと言いながら一周。
   
ポイントでは中国の人たちが派手なポーズで延々写真を撮り続けるので
写真を撮るには順番待ちが大変。


展望台にも登ってみました。



展望台に登るのも結構辛い。
ちょっと写真がぼけているのは、きっと高山病のせい。



本当に綺麗でした。
今はロープーウェイで一挙に五彩池まで行けるという話ですから
格段に楽になっているのでしょうね。
高山病の症状は低い所に降りて行けばどんどん楽になりますから。

2002年、五彩池の入口では黄龍后寺を建て直していました。
きっと今は綺麗な黄龍后寺も建っているのでしょう。


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参考文献

中国BEST SELECTION17(中国国家観光局)
21世紀世界遺産の旅(小学館)
世界遺産を旅する(近畿日本ツーリスト)


基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。