タクラマカン砂漠と西域南道 新疆ウイグル自治区に広がるタクラマカン砂漠 その南を走る西域南道 3日かけて西域南道と砂漠を旅しました。 2015年5月訪問 写真はタクラマカン砂漠 ![]()
上の写真の天人像部分を拡大してみました。 ミーラン故城の仏教寺院から発見されたものです(3~4世紀)。 ![]() インドの美声鳥との説もあるようですが、どう見ても西洋の天使ですよね。 ガンダーラ芸術との共通点が指摘されているそうです。 是非、行ってみたいものですが・・・・ これらの遺跡は砂漠の奥にあり交通手段が限られるだけでなく、 楼蘭故城近辺は中国が核実験を繰り返した場所でもあることから、 訪れるのは非常に困難かつ危険ということです。 憧れの楼蘭ですが、残念ながら行くのは断念。 新疆ウイグルを訪れるのは後回しになってました。 現在の民族問題も行くのを躊躇していた理由のひとつ。
なんだかんだで、ようやく訪れた新疆ウイグル。 今回訪れた場所のうち、西域南道のカシュガルからホータンまでと ホータンからクチャまでのタクラマカン砂漠縦断をまとめてみました。 ![]() カシュガル~ヤルカンド カシュガルの街を出て、南のヤルカンドを目指します。 ![]() カシュガルは新疆ウイグル西部の中心的な街ですが、実に大きなオアシス都市です。 街の中心部には大きな池?湖?がありました。砂漠が近いことを忘れそう。 でも、しばらく車を走らせると、車窓の景色は石と礫のゴビに一変します。 ![]() ヤルカンド河が見えました。 この河がやがてホータン河に合流し、更にタリム河となるのだそうです。 ![]()
中央のおじさんは日本で公演したこともあるそうです。 ドランムカムは怒鳴るように始まります。この迫力が特色なのでしょう。 ![]() 音楽の途中で女性陣が踊り始めます。とたんに和やかな雰囲気。 女性たちの鮮やかな民族衣装がまぶしい。
一緒に踊れ、と言われるのはちょっときつい。 彼らにとっては歌も踊りも楽しみなんでしょうね。 ヤンタック村からヤルカンドに向かう途中、ハンディ村のバザールに立ち寄りました。 ![]() 外国人が観光で立ち寄ることなんてないみたいで、気が付くと我々が見学されてました。
実はこの村の近くで2014年7月に大規模な暴動があったそうです。 賑わうバザールからはちょっと信じられませんが、 地元の人々の不満とかって、観光客が簡単にわかるものではないんでしょうね。 バザールの駐車場。バイクや三輪車が増えてるみたいですが、ロバ車もまだまだ現役。
寄り道が多かったからか、カシュガルを朝の9時過ぎに出てヤルカンドに着いたのは午後の8時前。 でも北京時間なので外は明るい。体感は5時くらい。 観光客が来ない街なので地元の人向けのホテルに泊まりました。 シャワーのお湯は一応出たというべきか・・・ ヤルカンド~ホータン ヤルカンドの日の出 ![]()
ホータン ホータンは崑崙山脈から流れる二つの川に挟まれた街です。 その一つ、黒玉河を渡ります。いよいよホータン。 ![]() ホータンはかって于闐(うてん)と呼ばれました。古来から崑崙の玉で有名です。
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他にも興味深かったのは仏教関連の出土品 気になったものと似たものがウルムチのウイグル自治区博物館で展示されていました。 仏像の頭部の型です。型を使って多くの仏像を作っていたんですね。 ![]() 博物館の後は、白玉河とマリカワト故城を見学 崑崙の白玉が採れるという白玉河。 玉を探しましたが、さすがに簡単には見つかりません。 3年前(2012年)までは玉の買い付けで賑わい地元も大儲けしたそうですが 最近はぱったりとのこと。バブル3年前にはじけたか・・・。 ![]() マリカワト故城は白玉河近くの高台にあります。
寺院の基壇とされるものが、ところどころに残ります。 ![]() 背後に見える山は崑崙山脈とのこと ![]() 玄奘三蔵が見た景色は、どんなものだったのでしょう・・・。 ホータンで一泊し、いよいよタクラマカン砂漠縦断です。 第2砂漠公路 ![]()
ホータンを出ると間もなく砂漠です。 第一公路の方が巨大な砂丘が見られるとは言いますが、第二公路の砂丘もなかなか見事。 ![]() 砂漠では胡楊、タマリスク、ラクダ草しか見ることができません。
胡楊は「立って千年、枯れて千年、倒れて千年」と言われる砂漠の植物。 秋の黄葉は素晴らしいそうです。 左がタマリスク、右が胡楊の葉 ![]() でも砂漠に植物があること自体不思議ですよね。 実は第二公路の近くにはホータン河が流れています。 雪解け水で増水した時は渓流下りも楽しめるのだとか。 不思議な砂漠です。 タクラマカン砂漠の砂は白い気がします。そして細かい。 ![]() タクラマカン砂漠は4月に砂嵐が多いそうです。 私が訪れたのは5月上旬。幸い砂嵐には合わなかったけど、風は結構強い。 細かい砂が舞い、風紋が刻々と形を変えていきます。
風の中、移動していたら、すぐに方向感覚を失ってしまいそうです。 足跡も、あっという間に消えてしまうに違いありません。 「入ったら二度と出られない場所」と恐れられたのも納得です。 延々と続く砂丘を見ながら北上します。 途中にあるレストランで食事を摂って、更に北上。 気が付けば、いつの間にか砂丘が見えなくなっていました。 どうやら砂漠を出たようです。 砂漠を出てまもなく長い橋を渡りました。下を流れるのはタリム河。 ヤルカンド河、ホータン河が合流してタリム河となります。 まだ水量が少ないですが、夏には巨大な流れになるそうです。 ![]() クチャの手前、チマンという街のバザールにも立ち寄りました。
クチャに着いたのは午後9時。ホータンから12時間かかりました。 カシュガルからホータンを経てクチャまで3日間の旅。 移動は大変だったけど、後からじわじわ感動が来ました。 シルクロードの威力かな。 実はカシュガルからホータンの間は公安や武装警官が凄い数でした。 日本への携帯電話も通じなくなります。 シルクロードの遺跡に戻る 中国の遺跡に戻る ![]() 参考文献 玄奘三蔵 岩波新書 前嶋信次著 玄奘三蔵、シルクロードを行く 岩波新書 前田耕作著 シルクロード・新疆仏教美術 新疆大学出版社 新疆国寶録 新疆人民出版社漢文発行所 基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。 |
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