デルフィ遺跡 霊峰パルナッソス山の南麓 古代ギリシャでアポロンの神託がなされた場所 ギリシャ神話の舞台となった聖地を訪れました 2017年4月・2019年12月訪問 写真はアポロン神殿
古代ギリシャの人々にとって、どこよりも神聖な地であったデルフィを訪れました。 見どころの多い遺跡なので、ここではアポロンの神域と博物館を紹介し、 アテナ・プロナイアの神域とカスタリアの泉はデルフィ2で紹介します。 遺跡のあるデルフィの町のレストランからの眺め
遺跡を訪れる前に博物館を見学しました。 博物館入ってすぐのところにあった、アポロンの神域の復元図
アポロンの神域 遺跡入口付近から見たアポロンの神域。山の斜面に建物の跡が点在している印象 ローマ時代のアゴラ 神域入口の手前にあるのがローマ時代のアゴラ ここで生贄として捧げる動物を買ったのだそうです。 煉瓦を使っているのがローマ時代の特徴。手前に水路もあります。 ローマ時代のアゴラは結構良く残っていのですが 神域に入って進むとこんな感じ
遺跡にあった説明図。左側が神域入口。分かる範囲で説明を入れてみました。 神域入口付近の記念碑の復元図。トロイの木馬が右端に見えます。 半円状の台座のようなものが左右にありました。アルゴス奉納の記念像の台座でしょうか。 この先にシフノス人の宝庫があったはずなのですが、遺跡では見る影もありません。 でも、シフノス人の宝庫からの出土品は博物館の見どころの一つです。 シフノス人の宝庫 前525年ころ
かってはさぞ美しい建物だったことでしょう。少女は髪や耳を金で飾っていたそうです。 宝庫の破風はヘラクレスとアポロンが聖なる鼎を奪い合うシーン。 そして、破風の下はトロイ戦争。 破風のレリーフ
トロイ戦争の場面
宝庫には神々と巨人族との戦いの場面も彫られています。
シフノス人の宝庫のあったあたりで参道は右に折れていきます。 その先にアテネ人の宝庫があるのですが、その手前に面白い石が置かれています。 オンファロス
アテネ人の宝庫 前500年ころ
坂道を少し上ると、奇妙な岩があります。 シビラの岩 写真中央の奇妙な形の岩がシビラの岩 シビラというのはデルフィの伝説的巫女で預言者。 彼女が予言を行ったとされる岩が、この奇妙な岩です。 シビラの岩のあたりからアポロン神殿の柱が見え始めます。 このあたりに、ナクソス人のスフィンクスが置かれた柱がありました。 ナクソス人のスフィンクス 博物館に置かれたスフィンクス(前575〜560年) 高さ2.32m。聖地を見守っていました。 坂を上っていくと、白い大理石の柱と、その上の茶色い柱が見えて来ます。 上の茶色い柱がアポロン神殿 その下の白い柱がアテネ人の列柱 アテネ人の柱廊
この付近から 黄金で飾られたアポロンとアルテミスの像が見つかっています。
アルテミスはアポロンの妹だと思ってたんですが、現地ガイドさん曰く姉。 先に生まれて、アポロンの出産の際、母を助けたんですって・・・ アテネ人の柱廊の先の坂道を登れば、いよいよアポロン神殿。 右手に見えるのは蛇が巻き付いた形のプラタイアイの戦勝記念碑台座
他にも、このあたりには非常に美しい踊る少女像がアテネによって寄進されていました。 踊る少女像は博物館で見ることができます。 薄手の衣装を身に着けた彼女ら。よく見ると、おへそが分かるんですよ。 プラタイアイの戦勝記念碑台座付近から見たアポロン神殿 アポロン神殿 神殿正面
復元図 僅かに残る柱に何とも言えない風格を感じます。 アポロン神殿の横を通って裏手にある劇場に向かいます。 少し高くなっていて、神殿の見晴らしがいい。 切り立った断崖を背にしたアポロン神殿 かって神託は地下で行われ、オンファロスの石も地下に置かれていたとのことですが・・・ 現地ガイドさんによると地下室は見えないけど神殿西側に確かにあるとのこと。 地下室見たいなあ。アポロン神殿の中には残念ながら入れません。 神殿からは美しい彫刻も見つかっています。
アポロンが留守にするときはディオニュソスがデルフィを守ったとされています。 ディオニュソスもアポロン同様芸術の神ではありますが アポロンが理知的な芸術なのに対し、ディオニュソスは激情的な芸術・・・ パルナッソス山中はディオニッソスの信者の狂乱の場だったとも言われ、複雑な背景があるようです。
劇場
アポロン神殿の背後の切り立った断崖は「輝く岩」と呼ばれたそうです。 神域と言われるのも納得の美しさと格調のある風景 デルフィ博物館 これまでに紹介できなかった展示品を紹介します。 金箔が貼られた牡牛像 木製の牡牛の像に金箔を貼ったのが年月の経過で木の部分が腐食してしまったもの。 アポロンとカラスの壺絵 カラスが黒くなったのは、アポロンに嘘を言って恋人を殺させたから。
スタジアムを飾っていたレリーフ 様々な彫像
アンティノウス像
遺跡は何とも言えない格調があるものの廃墟なので 博物館から訪れたのは正解でした。 博物館で出土品を頭に入れてから 在りし日の姿を想像しながら遺跡を歩くのがおススメ デルフィ2(アテナの神域・カスタリアの泉)を見る リシャと周辺の遺跡に戻る 参考文献 古代ギリシャ・時空を超えた旅(2016年東博展覧会図録) ギリシャ神話 呉茂一著 新潮社 ギリシャの神話・神々の時代 カール・ケレーニイ著 中央公論社 ギリシャの神話・英雄の時代 カール・ケレーニイ著 中央公論社 図説ギリシャ・エーゲ海文明の歴史を訪ねて 周藤芳幸著 ふくろうの本 図説ギリシャ神話・神々の世界篇 松島達也著 ふくろうの本 図説ギリシャ神話・英雄たちの世界篇 松島達也・岡部紘三著 ふくろうの本 目で見る世界七不思議の旅 森本哲郎編 文春文庫ビジュアル版 古代ギリシャがんちく図鑑 柴崎みゆき著 バジリコ株式会社 基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。 |
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