ギリシャ北東部 テッサロニキからトルコ国境へ ギリシャ北東部を古代エグナティア街道に沿って旅しました。 マケドニア地方東部とトラキア地方の見どころを紹介 2018年10月訪問 写真はアンフィポリスのライオン像 テッサロニキからトルコまでギリシャ北東部を横断しました。 古代エグナティア街道に沿って遺跡を巡ります。 しばらくは、かってのマケドニア王国の東部地方を進むことになります。 ローマ帝国以前にマケドニア王国が整備した場所です。
アンフィポリス
アレクサンダー大王の墓の候補地とされる丘が見えて来ました。凄い大きい。 せめて近くに行きたいけど厳しい立入制限・警備がなされているそうです。 博物館に向かいます。博物館はなんと古代の墓の上に建っていました。
マケドニアの黄金 素晴らしく精巧な金細工。博物館で買った絵葉書です。 マケドニア時代の邸宅の壁画 ライオン像の復元説明図もありました。本来の台座は今よりかなり立派だったようです。 ライオンは大王の母オリンピアスのシンボル
ローマ時代の彫刻
ビザンティン時代のバシリカ(聖堂)の柱頭 アンフィポリスを出て更に東へ。金鉱山があったパンゲオ山を見ながら進みます。 窓ガラスで光ってしまいましたが・・・車窓から見たパンゲオ山 アンフィポリスの博物館から車で1時間ほどでカヴァラに着きました。 カヴァラ
アイギスニコラウス教会のあたりからは水道橋カマレスが良く見渡せます。 ローマの水道橋?と思いますが、オスマントルコ時代の16世紀に建設されたもの。
坂の多い街ですが、なんともいえない風情があります。 半島の高台にはビザンティン時代の要塞 歴史のある街にしては古代のものが残っていないのが少し物足りないのですが 街の郊外に凄い遺跡があります。 フィリピ遺跡 カヴァラから内陸に約12q行ったところにあるフィリピ遺跡(ピリッポイ)。 マケドニアのフィリッポス2世が築いた街はビザンティン時代まで繁栄を続けました。 見どころの多い遺跡なので独立してまとめました。フィリピ遺跡はこちら。 聖リディア教会
聖パウロが最初の洗礼を行ったとされる場所 現在も用いられているようです。きっと人気の洗礼場所なんでしょうね。 教会に入るとパウロの伝道の道を示したモザイクがありました。 エフェソスからフィリピに、そしてテッサロニキへと伝道の旅は続きます。 この日は更に東に進んでクサンティという町に宿泊 ギリシャの地方区分でマケドニア地方を出てトラキア地方に入ったことになります。 ところがここでアクシデント発生。 明日見学予定のトライアノポリス遺跡が財政難で閉まってしまったかも・・・とのこと。 行ってみるまで分からないとのことですが、閉まっていた場合に備え急遽別の遺跡を見学することに ズオニ遺跡
遺跡に残っているのは前5世紀古典期のものが中心 アポロンの聖域 瓦礫の山ですが、石の配置や復元図からかっての姿を想像することはできます。
住居近くにあった「イクモス」 ブドウを載せて足で踏んでワインを造りました。
一見瓦礫の山のように見える遺跡ですが、粉ひきの跡が残ってたりして楽しい。 こちらは西の市壁に沿って建てられていた大邸宅。かなり大きく、商人の館ではないかとのこと 商人は宴会で客をもてなし、ベッドに寝転んで商談をしたのだそうです。 ズオニの町は東側の海側は崖となっていますが、西側は緩やかな砂浜 このため西側から来る敵に備えた町造りになっていたそうです。
西側からの敵の来襲とかは脅威だったんでしょうけれど、余りに風光明媚な地。 こんなところで暮らしたら、幸せだったんじゃないのかなあ。 町はマケドニア時代も続きました。 大王の死後、敵の来襲に備えて市壁を造り直し、城塞化を図ったそうです。 こちらは陶器を焼いた竈。低温で赤を、高温で黒を出しました。 デメテルの聖域 捧げ物を置くテーブルのある部屋があったそうですが、正直想像するのも難しい。
地味だけど非常に興味深い遺跡でした。 前5世紀・古典期の人々の暮らしが分かる遺跡って珍しい気がします。 何より海が美しい。 ズオニ見学後は当初の目的だったトライアノポリスに向かいます。 アレクサンドルポリを通り過ぎ、遺跡に行ったものの・・・やはり閉まってました。 トライアノポリス トライアノポリスはアレクサンドルポリから更にトルコ国境近くに進んだところにあります。 2世紀にトライアヌス帝がダキア(現ルーマニア)攻略の拠点として築いたのが街の始まり。
仕方ないのでアレクサンドルポリに戻って昼食となりました。 アレクサンドルポリ トルコ国境にほど近い街、アレクサンドルポリ
お昼のレストラン。本当においしかった。街の人々にも人気のお店だったみたい。 街の人がひっきりなしに買いに来てました。 街では新鮮なお魚を売っています。ちっちゃなエイも売ってました。 食事がおいしくて海も空も青い。 アレクサンドロポリから国境まではあっという間でした。 ギリシャ北東部は余り日本では人気がないかもしれませんが 訪れてみると実に興味深い場所が多かった。 そして海が美しい。 財政難で遺跡が閉鎖されたり、発掘が止まってるのが心配だけど・・・ ギリシャと周辺の遺跡に戻る 参考文献 古代ギリシャ・時空を超えた旅(2016年東博展覧会図録) 図説ギリシャ・エーゲ海文明の歴史を訪ねて 周藤芳幸著 ふくろうの本 図説アレクサンドロス大王 森谷公俊著 ふくろうの本 古代ギリシャがんちく図鑑 柴崎みゆき著 バジリコ株式会社 基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。 |
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