ポンペイ 紀元79年8月24日に始まったヴェスヴィオ山の噴火によって 火山灰に埋もれたポンペイ ローマ時代が封じ込められた遺跡です 2017年8月、10月訪問 写真はヴェスヴィオ山を背にしたポンペイの中心フォロ 上の写真のように、現在のヴェスヴィオ山は2つの頂が印象的な姿をしています。
火山灰に埋まったポンペイの発掘が始まったのは18世紀。未だ未発掘の部分もあります。 ローマ時代とはいえ一つの町ですから広大な遺跡です。人口は約1万2千人。 当時としては中規模の町だったそうです。遺跡にあった地図を撮ってみました。 火山灰の下から現れたポンペイの町を巡ります。
マリーナ門 一般的な遺跡観光はマリーナ門から始まります。
フォロ周辺 フォロ周辺は多くの建物があるので復元模型に建物の名前を入れてみました。 マリーナ門を入って真っ直ぐ進むと左手にアポロ神殿、右手にバジリカ アポロ神殿
かってはダイアナも弓を持っていたのだと思います。 バジリカ
バジリカから見たフォロ方向。 フォロ バジリカから出たところ。フォロの南端にあたります。並んでいるのは行政機関の建物。 フォロの南側はお役所街。演説台もありました。 そして目を北側に向けると広大な広場の先に見えるジュピター神殿とヴェスヴィオ山
ローマ時代の柱廊
ジュピター神殿と、その両脇にある凱旋門 まず、フォロの東側の建物を南から北に進む形で紹介します。 エウマキアの建物
ウェスパシアーノ神殿 皇帝ウェスパシアヌスに捧げられた神殿。大噴火の時は建築途中でした。 ウェスパシアヌス帝はローマのコロッセオを着工した皇帝です。
マケルム(市場) 市場だった場所。建物の壁に僅かにフレスコ画が残っています。 上手く撮れなかったんですが、食べ物の壁画もあるんです。売り物の絵だったのかな。 フォロの西側は南はバジリカと接し、修復中で入れないアポロ神殿も横から覗くことができます。 ちょっと衝撃的なのが穀物倉庫。今は出土品の倉庫になっているのですが・・・ 噴火の犠牲者の石膏像が置いてあります。
気を取り直して、フォロの中心であるジュピター神殿 ジュピター神殿
ジュピター神殿から北の凱旋門を通ると道の先に門が見えて来ます。 カリゴラの門 カリゴラの門の手前に浴場があります。 フォロ浴場 フォロ浴場は小さいながらポンペイで最も洗練された浴場とされています。 運動場・脱衣所・冷浴室・温浴室と分かれており、特にぬるま湯浴場の装飾が見事
当時の人たちは季節ごとに入浴方法を変えていたそうです。贅沢ですね。
フォロ浴場の近くには休憩所があり軽食も摂れます。 ここを拠点に、観光ルートを考えると良いかもしれません。 ファウヌスの家やヴェッティの家を見ようと思えば、そのまま北に進むことになりますが アッポンダンツァ通りを見ようと思ったら、フォロの南側に戻る必要があります。 アッポンダンツァ通り周辺 アッポンダンツァ通りはフォロの南から町の東サルノ門までの通り。両脇に商店が並ぶ商店街。
アッポンダンツァ女神は豊穣の女神。ポンペイには全部で44の公共の水場があったそうです。 水場の装飾が全て違うので待ち合わせの時の良い目印になったのだとか。 ポンペイの道は車道と歩道に分かれていました。車道には横断歩道的な石まであります。 横断歩道の石は荷馬車の幅を考えて置かれていました。
アッポンダンツァ通りをフォロからちょっと行ったところで南に折れると三角フォロ 三角フォロ 三角フォロの周囲には大劇場や小劇場があります。 行きたかったけど時間がなくて足を伸ばせませんでした。大劇場の外壁が見えてます。 三角フォロのすぐ隣、大劇場の北にあるのがイシス神殿 イシス神殿
考古学博物館にはイシス神殿の復元模型もありました。 大劇場との位置関係も良く分かります。 アッポンダンツァ通りに戻り、道なりに進むと様々な店舗が現れます。 実はポンペイには売春宿も数多くありました。 ナポリ国立考古学博物館には秘密のお部屋があり、売春宿の壁画も展示されています。 自粛しますが、まあ、日本の秘宝館みたいな感じ? ステファノの洗濯屋 服屋であり洗濯屋でもあった建物。かなり大きな豪邸です。
ここの壁画は鳥さんが印象的 通りを歩いていると家の入口から中が見えたりします。 入口に描かれた猛犬注意のモザイク?ポンペイでは実に多くの犬のモザイクが見つかっています。 室内のモザイクも素敵です。 中央にある雨水を溜める水槽があるアトリウムという部屋が当時の住居様式 ララーリオのテルモポリオ
守護神ゲニウス、祖神ラレス、蛇神、商いの神メルクリウス、酒の神ディオニュソス 通りに面してカウンターを持つテルモポリオがいくつも現れます。みな、それぞれ個性的。
通りには選挙ポスターというか選挙広告も書かれています。 「マルコバルコさんに投票してくれることをお願いします」とのこと 軒先から古代の人が現れそうです。 更に進むと壁画が美しい住宅もありました。 ヴィーナスの家 建物の中を進み、中庭を越えると見事なフレスコ画が現れます。 左から、軍神マレス、貝に乗るヴィーナス、そして美しい庭の景色 貝の上のヴィーナスは当時人気の絵柄。 ナポリ国立考古学博物館で似た壁画を見ることもできます。 それにしても美しいですね。人気があったのも納得です。
サルノ門の手前で南に折れると大運動場と円形闘技場 大運動場 運動場の隣が円形競技場 円形闘技場
円形闘技場内部 身分の高い人は下の席に、身分の低い人は上の席で見学したそうです。 大噴火で時が止まった町。 ところどころに置かれた犠牲者の姿は痛ましい限りですが 遺跡好きなら大興奮せずにはいられません。 イタリア周辺の遺跡に戻る 参考文献 ポンペイ 古代の遺跡を再現 日本語版 ARCHEOLIBRI(遺跡で購入) ポンペイ 今日と2000年前の姿 日本語版 CASA EDITRICE PERSEUS(遺跡で購入) ナポリと南イタリアを歩く 小森谷賢二・小森谷慶子著 新潮社 とんぼの本 世界遺産ポンペイの壁画展(2016年−2017年) 血塗られた神話 森本哲郎編 文春文庫ビジュアル版 基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。 |
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