ドゥッガ チュニジア北部にあるドゥッガ ローマ時代とビザンチン時代の遺物が残る遺跡です。 2011年1月訪問 写真はキャピトルと隣接するマーキュリー神殿、風の広場
劇場
劇場からしばらく石畳の道を歩きます。 保存状態の良い道です。排水の跡らしきものも見えますね。 ドゥッガは丘の上の都市で平らなところが余りありません。道には滑り止めの線などの工夫もあります。 そして、道を進むと大きな神殿・キャピトルが見えて来ます。 風の広場
キャピトル 風の広場の横に立つキャピトルは、やはり一際目を引きます。
神殿上部 分かりにくいですが、レリーフは鷲に変身して美少年ガニメドをさらうゼウス。 屋根の下には48の花の飾りが彫られています。 フォルム キャピトルに隣接して西側にあるのがフォルム。公共広場です。 キャピトルを挟んで東側に風の広場(商業広場)、西側がフォルム(公共広場)という構造です。 かってフォルムは35本の円柱で囲まれていたといいますが、現在はほとんど何も残っていません。 ただ、寄進者を示す石碑(左下)と広場を飾っていたであろう彫刻(右下)が残っていました。 フォルムにはビザンチン時代(6世紀)に要塞化された時の壁も残っています。 フォルムからは北に向かう道もありますが、南に進みました。 奴隷市場 フォルムのすぐそばに広場があります。 広々とした良い広場と思ったら、実は奴隷市場なのだそうです。 広場の4か所に四角く芝が植えられていますが、ここに檻があり、奴隷が入れられていたとのこと。 う〜〜ん、という気がしますが、実はここは撮影ポイント。 市場入口の門が綺麗に残っていて、門を額縁のようにしてキャピトルを撮ることができます。 キャピトルが小高い丘の上に建っているのが分かります。 道を進むと左手は遺跡を見下ろす形。木立の中の神殿らしき建物が気になるなあ(左下)。 右手はキャピトルを遺跡越しに見上げる形(右下)。 居住区 ローマ時代の居住区を見下ろせる場所に出ました。 丘の上から下まで住居跡がびっしりと残っています。 2世紀から4世紀にかけてのドゥッガの人口は1万人。多くの家庭があったのでしょう。 見事なモザイクも発見されていて、 モザイクのあった家はモザイクの内容からディオニッソスとユリシーズの家と呼ばれます。 もっとも、モザイクは既に遺跡からバルドー博物館に移されています。 バルドー博物館にも行ったので、ここで写真を載せておきます。 まずはオデュッセウスとセイレーンのモザイク 左の船にはオデュッセウス。右には足が鳥のセイレーン。 セイレーンの歌声に惑わされないようにオデュッセウスは自分の体を柱に縛っています。 オデュッセウスのそばにいる4人は耳栓をしています。 こちらはディオニッソス(バッカス)のモザイク。 船上の若い男性がディオニッソスだそうです。 海賊に襲われた時にディオニッソスが友人を魚に変えて逃がすシーン リビコ・プュニック廟 道を進むと木立の中に塔が見えました。 これは紀元前3世紀のヌミディア王国の王子の墓。 3階建ての塔の姿をしています。 この墓からはカルタゴ語とベルベル語で書かれた碑文が発見されています。 ドゥッガの遺跡は、ほとんどがローマ以降のものなので、貴重なローマ以前の建物です。 もっとも碑文が大英博物館に運ばれる際に崩壊し、今の姿はフランスが修復したものですが・・・。 浴場と公衆トイレ ローマ遺跡には欠かせない浴場(左下)と公衆トイレ(右下)も、もちろんありました。 浴場は温水と冷水、更にはサウナ室となかなか豪華です。 水道橋から水を流していたそうで、火を焚いていたトンネルも残っています。 公衆トイレは小ぶりでしたが、モザイクがかわいい。 トリフォリウムの家 入口に2本の柱が残るトリフォリウムの家。 トリフォリウムというのは四葉のクローバーという意味。 でも、実は売春宿です。 この売春宿、隣にお風呂もあって、当時の殿方はお風呂に行くふりをして通ったのだそうです。 しかし、現在のチュニジアはイスラム教徒ですので、色っぽいことは厳禁。 女性の胸にペニスを持つ両性具有者のモザイクもあったそうですが、今では博物館が保存しているとか・・・。 遺跡には復元図があり、かなり立派な建物だったことが分かります。 ここで発見されたガゼルのモザイクがバルドー美術館にあったので、載せておきます。 途中で見えた神殿らしきものが気になったので、自由時間にフォルムの北西側にも行ってみました。 アレクサンデル・セヴェルスの凱旋門 フォルム北側の道を西側に進んだところにあるアーチ型の門 3世紀に建てられた門だそうです。 貯水場? 門から更に西に進むと木立の中にこんなものが・・・ 地図から判断する限り、たぶん、貯水場。 今は壊れていますが、かってはドーム型の水を貯める施設だったのではないでしょうか・・。 ちょっと面白い建物の遺構でした。 カエレスティス神殿 更に西に進むと美しい神殿がありました。 居住区に行く途中で、木立の中に見えた神殿です。 女神達に捧げるため、3世紀に建てられた神殿だそうです。 確かに柱も細身で女性的。美しい神殿です。 上手く写せなかったのですが、柱と壁が神殿を守るように背後を半円状に取り囲んでいました。 この神殿はビザンチン時代(5世紀)には教会に変えられたのだそうです。 ドゥッガの遺跡はシリアやリビアの遺跡に比べると小さな遺跡です。 でも、保存状態は大変良いですし、周囲が緑なのも気持ちがいい。 私はツアーだったので1日でドゥッガとブラ・レジアを廻ることができました。 チュニジアの遺跡に戻る アフリカの遺跡に戻る。 参考文献 21世紀世界遺産の旅(小学館) 基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。 |
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