イースター島

モアイで有名なイースター島
南太平洋の絶海の孤島には不思議がいっぱいです。
2005年8月訪問

写真はラノ・ララク



モアイで有名なイースター島は南太平洋にある絶海の孤島です。ハワイ・ニュージーランド・イースター島を結ぶトライアングルをポリネシアというので、イースター島はポリネシアの南東の端に位置することになりますが、正式名称はチリ共和国自治区パスクア島、つまりイースター島は南米チリに属すわけです。

イースター島に行くには南米チリからのルートとタヒチからのルートがあります。

南米チリからは3800キロ、タヒチからは4000キロ・・・どちらにせよ遠いです。

イースター島は番近い島でも1900キロ離れているという絶海の孤島。この島の南には、はるか南極大陸しか陸地はありません。

私はタヒチ経由でイースター島に行きました。海の上を延々と飛び、小さな島が見えてきました。
イースター島に到着です。


歴 史

イースター島に最初に人が渡ってきたのは、400〜700年ころと言われています。

島の伝説では、最初に渡ってきたのはホツ・マツア王。ヒバという西の島からやってきて、島の北のアナケナ・ビーチに上陸したのだそうです。

有名なモアイは700年ころから作られ始めたと考えられています。
モアイは部族ごとに築かれた祭壇の上に置かれた神格化された先祖であり、部族の守り神でもありました。
部族を守るため、ほとんどのモアイは海岸を背に村の方角を見て立っていました。

かってのイースター島は緑豊かな島でしたが、人口増加は森林破壊を生み、次第に島を痩せさせていきます。

1722年にオランダ人がイースター島を発見したとき、イースター島には長い耳の支配階級(長耳族・エエベ族)がいて、モアイを拝んでいました。支配階級は豊かでしたが、既に島に木はなかったそうです。
1770年にスペイン人が訪れた時も、モアイは立っていて、島の長老がロンゴ・ロンゴと呼ばれる文字でサインをしています。
しかし、1774年にジェームズ・クックが島を訪れたときには、島のモアイは倒され、島民は飢えていました。
1770年から1774年のわずかな間にイースター島では大変革が起こったのです。


食糧難から部族同士の闘争が起き、互いに敵の部族の守り神であるモアイを倒すモアイ倒し戦争がこのとき起きたと考えられています。

また、この間に、被支配階級モモコ族の反乱も起きました。
支配階級だったエエベ族はモモコ族にモアイを作らせていましたが、モモコ族の反乱により、エエベ族はポイケ半島に追い詰められ、知識の継承者としての一人を除いて全員殺されてしまったのです。

モアイが全て倒された後は、オロンゴで創造神マケマケの化身である鳥人の信仰が盛んになっていきます。

しかし、19世紀、イースター島の知識階級も含む島民のほとんどが奴隷として連れ去られてしまいます。
しかも、数年後やっと戻ってきた島民が伝染病を持ち込み、島の文化は衰退します。
最後に宣教師が止めを刺すように、島の文字を刻んだロンゴ・ロンゴ等の文化財を焼き捨ててしまいました。
これにより、イースター島の文化は途絶え、モアイを始めとする謎だけが残ったわけです。



見どころ

イースター島という名前は西洋人がこの島を発見したのが復活祭(イースター)の日だったということに由来しています。
地元の人たちは自分達の島をラパ・ヌイ(大きな島)と呼んでいます。もっとも、ラパ・ヌイ(大きな島)といっても、実際の大きさは小豆島(もしくは佐渡島の半分)くらいしかありません。

とはいえ、見どころは多く、しかも島の各地に分散しています。
写真はイースター島でもらった地図。
三角形をしている島の各地に見どころがあるのが分かってもらえると思います。




イースター島のエリアごとに見どころをまとめてみました。
写真をクリックして下さい。
 (南西の端にある半島部分)
オロンゴ儀式村 鳥人儀式が行われた場所です。
火口湖展望台  鳥人のレリーフが残ります。
(南西部〜南東部の海岸線)
アフ・ビナフ    インカの影響が噂される祭壇(アフ)が残ります。
アフ・バイフ    モアイ倒し戦争の激戦地。
アフ・アカハンガ モアイ倒し戦争の激戦地。ボートハウスも残ります。
(南東部)
ラノ・ララク    モアイを切り出し、製造していた場所。
           400体のモアイが残ります。
アフ・トンガリキ 15体のモアイが載る島最大のアフがあります。
           このモアイとアフは日本企業が修復しました。
(東端の半島部分)
ポイケ半島    エエベ族が最後に追い詰められた半島です。
 (北東部)
アナケナ・ビーチ  ホツ・マツア王が上陸した海岸。
アフ・ナウナウ   保存状態の良いモアイが残ります。
テ・ピト・クラとテ・ピト・オ・テ・ヘヌア  10mのモアイと不思議な石。
オバへ・ビーチ   美しいビーチです。ポイケ半島も良く見えます。
(北東部〜中央部)
テレパカ山     イースター島で最も高い山。標高500m。
アナテ・パフ     イースター島最大の洞窟。
アフ・アキビ     海を見つめる7体のモアイ。
(ハンガロア村周辺)
アナカイ・タンガタ 鳥の壁画が残る洞窟。
プナ・パウ     モアイの頭に載るプカオを切り出した場所です。
博物館       発掘されたモアイの目やロンゴロンゴを展示。
タハイ遺跡     ハンガロア村から歩いて行けるモアイ。
            島で唯一目が入ったモアイもここにあります。
            夕日の名所でもあります。

急いで回れば1日半で大体の観光はできてしまいます。
しかし、イースター島は天気が不安定。私も1日は大雨で悲惨な目に逢いました。
予備日は作っておいた方が間違いないと思います。

イースター島は風が強く傘や帽子は飛ばされてしまい、意味がありません。
しっかりとしたレインコートはもちろん、靴やカメラの予備もあった方がいいと思います。



ポリネシアン・ショー

前売り券25ドル(2005年当時)を買ってショーを見に行きました。
それほど期待していなかったんだけど、実に面白かった。
女の子たちは可愛いし、男性陣は凄い迫力。
25ドルの価値は十分ありました。おすすめ。

   

ちなみに、イースター島は孤島なので物価は非常に高いです。
(輸送費が凄くかかるわけです)
チリ本土とは比べ物になりません。



一度は行きたかったイースター島。
大満足できました。
時間とお金があったら一週間くらいのんびりしに行きたい。



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参考文献

Newton別冊 古代遺跡ミステリー
Newton別冊 古代世界への旅
Newton別冊 新・世界の七不思議
沈黙の古代遺跡 マヤ・インカ文明の謎(講談社+α文庫)
巨石人像を追って(NHKブックス 木村重信箸)


基本的には現地ガイドさんの説明を元にまとめています。